- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > 日本文学
- > メディアワークス文庫
出版社内容情報
「からくさ図書館」の館長を務める冥官・小野篁は、上官である安倍晴明から「京の夏の祭礼を守れ」と告げられる。祇園祭から送り火へ、季節はうつろう――悠久の古都・京都で紡ぐライブラリ・ファンタジー第四集。
内容説明
盛夏を目前に控えた京都。「からくさ図書館」の館長を務める冥官・小野篁は、上官である安倍晴明から、ひとつの使命を託されていた。「京の夏の祭礼を守れ」―。その使命を胸に留めつつ、篁は不思議な書物“偽書”を紐とき、現世で迷う“道なし”たちを今日も天道へと導く。そして、新米冥官の時子は初めて、からくさ図書館の外の世界へと踏み出して…。七月の祇園祭から、夏の終わりの送り火へ。うつろう悠久の古都を舞台に紡がれる優しいライブラリ・ファンタジー、第四集。
著者等紹介
仲町六絵[ナカマチロクエ]
2010年に『典医の女房』で、短編ながら第17回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”を受賞。受賞作に大幅加筆した『霧こそ闇の』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
dr2006
75
冥官とは生前善果を育むも現世を彷徨う者(道なし)を見つけ天道へ送り届ける存在。冥官の篁(たかむら)は、現世の京都で私設図書館を運営しながら、新米冥官の時子を教育している。史実に愛を以て接した設定と現世に合わせた人物造形が丁寧で面白く、シリーズ4弾だが続編への期待が途絶えない。篁は冥官としての千二百年の経験があるくせに、時子のこととなると過保護になるところが可笑しいし、時子もその篁への尊敬と甘えの間で葛藤する姿がいじらしくて可愛い(笑)道なしを導いていくストーリーの中に心温まる「香り」を聞くことが出来た。2019/02/05
hirune
72
泳ぐ金魚と花火を模った和菓子「金魚琥珀」を見てみたい、できれば食べてみたい。綺麗でしょうね☆京都の人が伝統を大事にし、祭りが大好きで大切に守っているという事がよくわかる物語でした。私設図書館として閻魔庁の出張所を営んで8ヶ月の篁と時子姫、過去に道なしと関わった人たちとの人間関係のネットワークも豊かになり、楽しそうに仕事をしてました☆2016/06/25
ばう
61
★★★今回は祇園祭から五山送り火の頃のお話。冥官の仕事に携わるようになって少しずつ喜怒哀楽を表せるようになっていく時子様。そしてその様子を傍らでまるで父親のようにハラハラと見守る篁。次巻ではこの二人の関係もまた少し変化していくのだろうか。そして篁や茜さんの現世での様子も語られ、今まで少々とらえどころのなかった登場人物達に色が加えられてきたように感じます。このシリーズ、そろそろマンネリ化してくるかな?と思ったけれどまだまだ続きを読みたい気持ちにさせられた。この物語の根底に流れるあたたかい雰囲気のせいかな?2016/10/03
ゆかーん
61
シリーズ4巻目。今回一番気になるのは、やはり茜と篁の過去です。篁と妻の関係が微妙な理由、そして茜も有名な歌人であったという事実には驚きました。しかし、今回それ以上に印象に残ったのが、道なしの修復職人のお話です。壊れた仏像を完璧な姿に仕上げたいと思う一方で、その時間の経過も大切に保存しようとする気持ち。二つの願いの根源には、この仕事を尊敬する職人の想いが詰まっているように感じます。その他に、和菓子職人の雅也と大学生の沙保里との恋の行方と、篁と時子の関係も気になる所…。次巻の秋の季節が楽しみになってきました!2016/04/20
山犬
59
いまさらですが京都を舞台にしているだけに時間がゆったり流れるような形で話が進むので時間を忘れるようでした。少し登場人物たちのことを調べてみようと思います。2016/03/25