出版社内容情報
民子が忘れられない。彼女は夜ごとチャブ台のかたわらに座って、一文にもならぬ私の原稿を読んでくれた。あの、日本中の猫好きを泣かせた浅田次郎原作のネコ缶CMが、ついに写真集になりました!
内容説明
売れない作家の唯一の読者は、飼い猫の「民子」だった。ようやく原稿が売れ始めた頃、彼女は行方知れずになってしまう。作家が長編小説の仕上げにかかっていた寒い夜、民子はぼろぼろになって戻ってきた。ただひと言、作家に「おめでとう」というために―。浅田次郎自身の実話に基づき描かれた、映画のように切なくあたたかいフォト・ストーリーブック。
著者等紹介
浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京都生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞受賞。動物、特に猫好きは有名で、本作『民子』は自身の体験から書かれたものである
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
92
尾道に行きたくなった。理由は尾道に住む人ならわかってもらえるだろう。猫の写真がよいが、それにも増して浅田さんの自筆原稿が素晴らしい。浅田さんは自分を「猫」だと言い張るが、猫にあの字は書けまい。2014/06/22
あん
64
『配達あかずきん』に登場した、マルハのキャットフードCMから作られた本です。CM用に撮り下ろされた写真と短い分だけの構成ですが、じんわりと胸にしみました。「民子」の他にも二編が収録されています。どれも原稿用紙一枚の短編です。何度も何度も読み返してしまいました。You Tubeで実際のCMが見られます。https://www.youtube.com/watch?v=UDXMnRkYols2014/10/01
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
59
著者の実体験を元にマルハペットフード創立10周年記念のCMが作られ、それを本にしたのがこちら。現在の浅田氏があるのは、家族はもちろんのこと、辛い時代を民子が支えてくれたからかもしれませんね。民子にはいつまでも浅田氏の読者でいて欲しかったです。CM自体は見たことがなかったのですが、叶うことならCMの方も見てみたかったです。セピア色の写真がとてもいい味わいでした。★★★★2012/12/29
あかは
49
2000年ペットフードCM原作。写真と、さりげない、素朴な言葉で綴られる。民子みたいな猫がいたら、寂しくないし、仕事もはかどりそう。他2編収録。映像で見たら泣いちゃうかも。2017/05/07
本と映画
35
そういえば、かつて日本のテレビを見ていた頃にこんなCMを見たことがあるかもとうっすら思い出しました。キャットフードの10周年記念に作られたCMのために書かれたお話ですが、そんなことは最後までわかりませんでした。猫を飼ったことがある人なら、なおのことじーんとくるお話。2014/10/12
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