感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yajimayajiuma
6
アングルや消失点の設定、レンズの選択…等、レイアウトに関する技術的な話がすごい情報量で載っている。どれも面白いが、量が多い上に頭を使うので時間がかかる。黄瀬和哉や西久保利彦等、インタビューも豪華。今敏の街に関する話や、高橋明彦の専門的な撮影機材の話も面白い。渡辺隆の世界を記号化せずに見るという観点もよかった。「実写だとあざとい描写が成立するのは、アニメの表現が本質的にあざといから」「便宜的に生み出された手法を本質と言い換えるのは、アニメ独特の現象」と、押井守はさすがに印象的なことを言う。2024/11/02
富士さん
5
監督がひとカットごとの演出意図を語るという稀有な本。改めて演出意図のひとつひとつを検証するつもりで精読してみました。押井さんの演出の根本には、演出家の意図を超えた意味を視聴者が創発するのを促す意図が込められていると、一貫して語られてるのが本書で最も注目すべき点だと思います。そのため、演出意図がないのが演出意図のカットや存在が配置されており、このことは実証研究をせずに、過剰に意味を読み込むだけの研究なるものがどれだけ不毛でバカバカしいかを表しており、もっとこういう本が増えればいいのにと切に希望するものです。2018/05/31
○○○ ○○
1
映画本編よりよっぽど面白い。劇場アニメが実写映画の視覚体験に依存しているという原理論からレンズをシミュレートしたレイアウト、窓の向こう側の戦争という物語のテーマまで全てが全く同じ信念の下、明確に確信を持って設計されているのが分かる。創作者なら読んでおいて損はないし映画の見方も変わる2021/04/19
格
1
ライフタイムベスト10には間違いなく入る傑作の設計図。何度観ても全く飽きない映画なんですけどこれを片手にもう一度観たい。2019/05/20
a-park
1
本当に当たり前の話なんだけど、アニメの画面というのは全て誰かに設計され描かれたものであるということに圧倒された2015/01/11
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- 和書
- Dの遺言 祥伝社文庫