出版社内容情報
静謐な一日の中に照射される様々な思い、記憶、旧友からの手紙、庭に揺らぐ草木。77年の生涯の中のある一日。非凡とも思われるほど平凡な時間の中で、老作家の類希な観察眼と深い洞察力が導くエレガントな妄想。
内容説明
長い人生にはドラマチックにハッピーな日もあれば、最悪の日もあるけれど、ほとんどは特に何もない日である。だから平凡な日ほど、人生を如実に表しているものはない。老齢の作家ドリス・グランバックは、あえてその何でもない日の記録を一冊の本にまとめることにした。読書や祈祷に捧げられる静謐なひととき、手紙から喚起される旧友への思い、窓から見える木々までもが、なぜかとてもありがたく感じる。老作家の豊かな知性と記憶をあますところなく表現したエレガントな瞑想。
著者等紹介
奥野昌子[オクノマサコ]
静岡県生まれ。明治大学文学部卒
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- 和書
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