内容説明
ビル(ゲイツ)はカシコい。ビルはヤサシい。ビルはココロが広い。でも、奴隷のような毎日にはもううんざり…。そんな折、同僚の“天才”マイケルからボクらにいきなりの呼びかけが、「ボクの開発したバーチャル・レゴ・ソフトOops!で会社を興すのに参加しないか」ボクらはビルのもとを去り、シリコン・ヴァレーへと南下した。そしてボクらのリアルな人生が始まった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
122
ああ、この頃はアップルよりマイクロソフトだったのだ。書かれたのはそんなに前でもないのに、IT社会の移り変わりの激しさに眩暈がするよう。「ビルゲイツの下で働くのは大変だよ、もっと夢のある仕事をしようよ、レゴに関連したこととかね」なんて(笑)表紙がこの小説の雰囲気と楽しさを表してくれている。舞台がシリコンバレーでも、IT関連でも、これは若者の心に触れるドラマ。コンピューター物だからか段組みが少し読みにくいけれど、おすすめ。2017/06/16
まふ
106
横書き左閉じの洋書スタイルで最初は読みにくかったが慣れるとすいすい読めた。ビル・ゲイツが君臨するマイクロソフト社のプログラマーたちが独立して立ち上げた会社の仲間たちとの共同生活の「日記」。時代はWindows98でマイクロソフト社がI Macで起死回生を図るアップル社を圧倒する時代であり、懐かしい気がした。コンピュータオタクたちの日常が楽しく描かれるが、トンデいる彼らも結局は人間的生活の「枠組」の中で生きており、父親、母親、家族の愛情が生きる糧になる、という暖かいオハナシであった。G492/1000。2024/04/22
syota
27
舞台は、MS(マイクロソフト)が全盛を誇りジョブスのいないアップルが低迷していた1990年代の米国西海岸。MS本社の若いIT技術者たちが、好条件のMSを退職してベンチャー企業を立ち上げ、軌道に乗せるまでを、仕事や恋、家族のことも交えて描いている。IT用語や商品名などカタカナ言葉の氾濫が、当時のポップな雰囲気を伝えている。出だしは世界最先端のIT企業の職場環境や仕事ぶりに興味を惹かれたが、その後はラノベ風の軽いタッチの文章が延々と続くだけで、さっぱり心に響くものがない…個人的にはいささか残念な読書だった。2022/12/26
Э0!P!
2
映画「ムーンライト」と同様、様々な人間を描き分けるなら背景が統一されていた方がよかったりする。この小説は、登場人物が一般的にスクールカーストの低いオタクたちだが、それぞれに個性が割り当てられている。肉体改造に励んだり、肉体の檻に閉じ込められた精神を嘆いたりする傍ら、電子でのやり取りが却って生身での対面よりも関係を強固になったりもする。電子時代の形而上学を説くカーラやマイケルの存在と相待って、人間という概念が20-21世紀版に拡張されていくかのような印象を受けた。2023/02/16
勉誠出版営業部
2
ダグラス・クープランドの『マイクロサーフス』を読了。マイクロソフトを舞台にした(皮肉った?)小説。さすがに時代を感じさせる部分もあるものの、根幹は青春モノなので、その点では現代にも通じるものがある。2016/01/01
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- 和書
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