内容説明
『ふりだしに戻る』のサイモン、25年の時を経てよみがえる。彼は第一次大戦とタイタニック号の沈没を阻止することができるのか。ノスタルジックファンタジーの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K・M
11
20世紀が気になった僕は現代へと舞い戻るがそこで《プロジェクト》の新たな思惑に巻き込まれる事に‥。『ふりだしに戻る』の続編だが想定以上に長大な物語になってしまったという印象か。タイムトラベル後1910年代の描写を読み進めるのはかなりの苦行で突如現れるジョタ・ガールに終始困惑し、中盤以降話が全く進展せず頭に入らない。物語は冒頭と結末のみで完結すると言っても過言ではない。それでも前作から辻褄がピタリとハマるプロットは秀逸、予想外の至極の結末もしっかり用意される。他のSF作品の追随を許さない浪漫溢れる長編作品。2022/06/27
ゆき
11
★★★☆☆:前作「ふりだしに戻る」で、タイムスリップを体得したサイモンが決別のために戻った現代で、今度は第一次世界大戦阻止の計画を持ちかけられる。スリリングな展開やアクションなんかを期待していたが、前作同様、当時の街の様子や人々のファッション、ヴォードヴィルで上演されている演目などが詳細に描かれるばかりでなかなか話が進まない。最後に驚きの展開がいくつかあったが、これはSF的なストーリーを楽しむのではなく、題名通り、当時の街を旅するような気持ちで読むのが正解なのかもしれない。2014/12/01
マッピー
7
「ふりだしに戻る」の続編。第一次大戦を阻止するためにタイタニック号の沈没を何とか食い止めなければならないサイモン。1912年のアメリカにトリップする。で、あんなことやこんなことをするわけですが、作者が書きたかったのは多分そんなことではないと思います。。とにかく古き良きアメリカを書きたかったんだろうなあ。主人公の行動よりも、町や風俗の描写の方がはるかに多いんだもの。スピーディーに、便利になった世の中を、人々は楽しんで暮らせているのでしょうか?というようなことをフィニイは書きたかったのではないかしら。2015/10/20
更紗姫
7
お上りさんだから当然、ニューヨークではダコタハウスとストロベリーフィールズに詣でました。確かに不思議な空間だった。大都市の真ん中にぽっかり空いた広大な緑地。100年前も、そしてきっと100年後も変わらない。最先端ビルがひしめく間に古い建物が違和感なく点在する、稀有な街。このシリーズ、真の主人公はニューヨークそのものなのだと思う。結局、『ふりだしに戻』れてなかったわけで、錯綜する時間線の因果関係が実に面白かった。タイトル”FROM TIME TO TIME”が『時の旅人』って、とても浅倉久志らしい。2014/11/07
Hiroshi Takeshita
3
ブラッドベリが幾つになってもブラッドベリな様に、フィニィもまた同様で、それはつまり84才であろうが、瑞々しく、お茶目で、センチメンタルという事なのだ。瑞々しさは、夏への扉を、お茶目さは、発狂した宇宙を、センチメンタルは、天の光はすべて星を想起させてくれる。それは、最初に、ふりだしに戻るを読んだ時代への回帰である。これこそ、まさに時の旅人の為せる技だ。2017/04/28
-
- 和書
- 企業・経営の史的展開