出版社内容情報
刃物を振り回した男が夜の新宿に現れ一人のホームレスが殺された。精神鑑定の結果、一時的に心神耗弱に陥ったとして犯人は不処分に……。この鑑定に疑問をもった刑事と鑑定人が犯人の悲惨な過去を暴いていく。
内容説明
夜の新宿歌舞伎町が血に染まった。女性の悲鳴が聞こえた瞬間刃物を持った男が街中に飛び出した。男は意味不明の言葉を発しながら人々に襲いかかる。すぐさま男は取り押さえられ、警察に現行犯逮捕された。事件は多くの犠牲者を出し、一人のホームレスが死亡する。警察での取調べの結果、犯人は杉並区で病院を営む外科医・天宮如彦と判明。事件はすぐに片付くかと思われたが、取調べ中天宮が奇妙な行動を取ったことに対し、警察は天宮の精神鑑定を依頼。鑑定の結果、天宮には覚醒剤副作用の症状の疑いありと鑑定人・小川香深は診断した。警察側は天宮に覚醒剤使用の疑いはもっていない。事件の真相を探るため香深は兵庫県尼崎市まで天宮の過去をたずねた。そして…。日本を震撼させた前作「39(刑法第三十九条)」から1年、待望のシリーズ第2作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょん
8
刑法第三十九条の第2弾。今回は、刑法第41条の14歳以下の犯罪についても触れていた。女子高生コンクリート詰め事件というひどい事件を絡めながら話が進んでいく。前回よりもミステリ度は低いような気がしましたが、読んでいて辛くなるような事件の描写が心に突き刺さった。2012/05/15
くまんちゅ
7
「39(刑法第三十九条)」に続くシリーズ二作目。今回は三十九条の問題だけでなく、第四十一条の「十四歳に満たない者の行為は、罰しない」という項目や覚せい剤の問題なども取り上げられている。物語が進むにつれて如彦の過去が明らかになっていくのだが、その過去の事件の描写が凄惨。読んでいるだけでも気分が悪くなった。断ち切ったつもりでも影響を与え続ける覚せい剤の怖さも印象に残った。2013/02/24
くまんちゅ
6
再読。改めて覚せい剤の怖さ、そして人間の集団心理の怖さを感じました。覚せい剤は完全にやめたとしても後々まで影響を与え続ける。少年たちの行動も集団になることによってエスカレートし歯止めがきかなくなる。ストーリーとしてはラストがちょっと駆け足になってしまったかなという印象でそこがちょっと残念。少年犯罪にあった被害者遺族の告白がやり切れなさを感じさせます。2014/03/08
kishi
3
またも面白かった。今回も怖かった。人の怖さ。麻薬って年月が経っても影響があるって…あー怖い怖い。くわばらくわばら。2010/04/26
owlman
0
生まれた罪は際限なく闇を広げていく。2015/05/23