内容説明
一九三六年に発生した第二次オホーツク海戦は、ソ連極東艦隊を撃滅した日本海軍の“戦術的圧勝”であったが、意外にも戦略目標を失う結果に終わってしまった。そして、北満州油田を支配下に置くことを目論むソ連の後押しを得て、新たな補給物資を受けた馬占山軍は、黒竜江小河子島付近で大規模な活動と河川封鎖を行った。北満州を調査中だった柳井大尉は、内閣総辞職に伴い急遽内地に戻った。一方、小早川少佐率いる北千島の幌筵島で編成された海軍「黒竜江特別陸戦隊」と、最新鋭艦「禄剛」が黒竜江に向い、馬占山軍物資集積所に奇襲上陸作戦を敢行した―。迫真の戦略シミュレーション小説。