内容説明
昭和45年11月25日、作家・三島由紀夫は、魔人・加藤保憲の正体を暴き“霊的防衛”を叫び、自決した。あれから24年が過ぎた。東京の主要な建物は、周辺から避難してきた人々に開放され、6年前に始まった火山活動は激しさを増し、東京大地震を予感させた。世紀末的風潮の最中、加藤の野望、帝都崩壊を何としても阻止せんとする女が現れた。名は大沢美千代―。彼女こそ三島の魂が転生した姿であった…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花乃雪音
11
三島由紀夫は自決後大沢美千代に転生し魔人加藤保憲と対決すべく目方恵子に神女としての教育をうける。一方、鳴滝純一は想い人であった辰宮由佳里を自分のものとすべく動き続けていた。明治から始まった本作が昭和69年の近未来にまで話が広がった(本巻は昭和62年刊行)。作品の初期から登場する人物はほぼ鬼籍に入ってしまったため辰宮由佳里の再登場は予想外だった。本巻で水虎が出てくるのだがそのイラストがどう見ても『大アマゾンの半魚人』にしか見えなかった。2020/08/05
400YEN<ふぉー>
1
だいぶ現代に近づいてきた所で、加藤との戦いの火蓋が切って落とされそうな状態に少しづつ近づいてきます。水虎を使役しはじめる加藤に、老いて力を失った恵子、そしてそれに変わり将門の巫女となる三島の生まれ変わり……更に老いて妄執に突き動かされる鳴滝。 コンピューターも登場し始め、一巻から比べると本当に東京が変わってきているのが分かります。 そしてラスト、三島の衝撃の最後の姿が……! 次巻での戦いが楽しみ。2014/01/27
takeakisky
0
1986年の三原山噴火。そして、今はなき拓銀。いよいよ昭和百年から返り見るあったかもしれない東京の未来。そういえばおやじ狩なんて言葉もありました。実際の銀座の煉瓦は、戸越銀座にいったり、その後発掘されて博物館に展示されたり。団(荒俣)、藤森照信、南伸坊、路上観察学入門を手に東京中を歩き回ったことは若干懐かしい思い出。鏡明、コナン。滝本誠、 BRUTUSの10代で読んでおきたい異常本は二人の対談。鳩よ!は敷居が高くて。ペダルを踏む加藤保憲。交詢社ビルも三信ビルももうない。いちいち立ち停まってしまう!2025/01/04