出版社内容情報
薫物づくりに熱中するあまり、変わり者と噂される左大臣家の姫 ・咲良。
そんな娘のため、 父が「一味違う男」として地方出身の衛士・有馬を連れてくる。
薫物の腕に惚れた! と褒めてくれる彼の押しの強さに面食らうものの、次第に心が動かされてしまい――
そんなある日、禁制品の伽羅が密売されていると知った咲良は有馬と共に真相を追うことになり!?
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
31
逆玉型の平安風恋物語。左大臣家の二の姫は薫物作りが好きでお姫様とも思えない雰囲気。父親が心配してあちこちの貴公子を連れてくるが興味を示さない。ついに父親は地方から上京して出世の道筋をつかんだ「有馬」という青年を連れてくる。この有馬が二の姫の作る薫香が好きで他のものに使わせたくなかったり、身内っぽい女性を二の姫に会わせたくない気持ちを恥じたり悶々とする点も楽しく読める。薫物にポイントを絞って描かれている点が楽しい。2025/08/24
チェ
1
平安時代の暮らしぶりについて、難しい・煩雑なものはうまく簡略化し描写しつつ、恋愛やミステリーめいた事件を描写した手腕が見事だと思った(と言ったら上から目線だろうか…) 父親や姉のキャラは典型的なキャラ立てかもしれないが、テンポよく読み進められた。ヒーローが御曹司でないタイプの小説をあまり読んだ機会がないのだけれど、こちらはそんな苦悩もリアルに描かれていて、とにかく飽きさせない小説だった。もちろんヒーローがグイグイくるのにも、恋愛小説としても萌える(笑)2025/07/27