出版社内容情報
これは、日本各地に点在する集落で今も密かに行われている儀式を記録したものである。
第一の記録『瀧来集落』
東北では、少女を囲み、男たちが無言で数珠を回す雨乞いの儀が行われる。儀式の後、少女は必ず失踪し、誰一人として戻ってきた者はいない。
第二の記録『高山集落』
四国では、神仏の声を聴くための禁忌の儀式「オハチヒラキ」が継承されている。霊力を強制的に開花させるこの行為は危険すぎて禁じられているが、集落では今も続けられているという。
【目次】
内容説明
これは、とある集落で今も行われている儀式の記録である。東北の「瀧来集落」では、少女を囲み、男たちが無言で数珠を回す雨乞いの儀が行われる。儀式の後、少女は必ず失踪し、誰一人として戻ってきた者はいない。四国の「高山集落」では、神仏の声を聴くための禁忌の儀式「オハチヒラキ」が継承されている。霊力を強制的に開花させるこの行為は危険すぎて禁じられているが、集落では今も続けられているという。この記録に触れた者は、決して無傷では済まされない―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごみごみ
45
古くから伝わる奇妙な儀式を探る「現地報告」と「スクラップ」の断片的な情報が交互に収められ、「最終報告」での考察に繋がっていく、モキュメンタリーホラー。とにかく終始不気味さが漂う。個人的には、結婚したばかりの頃に夫の母が「数珠こ」(ズズッコと発音していたと思う)という集まりに参加していたのを思い出した。女性が何人か円になって座り、手を繋いで数珠を回しながら何かを唱えるという。どこで何のためにやっていたのか?聞いた気もするが記憶が定かではない。この作品に出てくる1つ目の儀式に似ていてゾワッとした。2025/08/10
あられ
9
旧twitterで何度も現れたので読んでみた。が、正直よくわかりません。とある集落(2ヶ所)で行われている儀式(2種類)。なにかかかわりがあるでもなし、なら、なぜ一冊に書かれたのか? さほどコワくなかったし、断片が集積してもなんもなかったし。←想像力不足か(笑) スクラップはいろいろ調べたのだなと思いつつ。誤植があったが(漢字表記がカタカナ、句点ぬけ)メモ忘れて指摘できず、ごめん。2025/08/01
よね
8
日本のどこかに残るとされる儀式を研究したスクラップ帳と、それを調べている過程を小説にしたもの。出てきた2つの儀式がどこかで繋がるのかと思ったけれど、そういうわけではないらしい…。◆びっくりさせるような怖さではなく、後からじわじわ薄気味悪くなってくるような読後感。2025/08/08
戦士フンデル
6
カクヨムで読んだことあるやつだ!!しかし大量に書き下ろししていただいてたので、結果的に無問題。淡々とした筆致で2つの異なる地域に存在した儀式の正体を追うストーリー。合間に挟まるスクラップが個人的には好きで、世界中で観測されたファフロツキーズ現象からマナ伝説、龍神伝説と繋がる流れは綺麗かつワクワクした。ただ、ストーリーの盛り上がり的な部分は薄く、せっかく2つの儀式を取り上げたのなら何かしらリンクさせても良かったのでは感。禍々しい儀式のセンスは良いので次作期待。2025/07/24
📖®🍵
3
暴風と雨音をBGMに読み終えました。 作者の方が言っていた通り、 天気や時間帯が噛み合うと物凄い臨場感。 スクラップをひとつずつ読み進める度に迫る 怖さ、薄気味悪さ、気持ち悪さ、堪能しました……。 また時間を置いて読みたくなる不思議な読後感。2025/08/11