出版社内容情報
“大人になるまで見てはいけない”
九州北部の限界集落、朽無村。
廃村に近いその村に、たった一人、娘が静かに暮らしていた。
村のお社に祀られる“シラカダ様”という異形の神、
サトマワリという謎の慣習、突如消えた一家。
娘が隠してきたのは、代々伝わる異端の信仰と、
村を襲った忌まわしい悲劇の記憶だった。
辺境の集落に潜む悍ましきモノとは―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
68
九州北部の限界集落、朽無村に起こった惨劇。因習村で行われていたおぞましい儀式とは?村にひとり残った女性が語る悲劇の記憶。異形の神も同調圧力を押し付ける田舎の人々もとにかく気持ちが悪くて、読んでいるこちらも不穏な空気に呑まれるそうになる。 村のお社に祀られる“シラカダ様” という神に捧げるサトマワリという謎の儀式。ある日この村に都会から4人家族が移住してくる。子供たちはすぐに仲良くなるがこの儀式に参加させられた家族はその後…。暴走する怪異は回収屋の手に負えるのか?余韻を残すラストも不気味で面白かった。2025/07/12
オフィーリア
51
文句の付け所のない因習村オブ因習村。小学生視点で平和な田舎をじっくり描写することで、高校生に成長してから綺麗に見えていたものがおぞましく見える対比が素敵。因習村の成り立ちと解体、その村に生まれ落ちた事による呪いを特盛りボリュームで描き切った良作。2025/07/02
のりすけ
34
因習村モノ。オラこんな村嫌だの極地。2005年(前哨戦)と2011年(解決編)に起きるあんなことやこんなこと。この分厚さの割にはあっという間に読み終わった。アタイこんなバスが日に2本しかないような田舎には絶対行きたくない。持病持ちだから。祈祷や自然派療法なんぞ信じないから。科学の子だから。賞味期限切れのもの食わされたら絶対腹壊すタイプだから!( ー`дー´)キリッ!!因習村だからムナクソになるのか、ムナクソだから因習村になるのか、悩みどころよのぅ。2025/07/25
rosetta
30
★★★☆☆第9回カクヨムWeb小説コンテストホラー部門特別賞。肩書も長いが本文も長い。なんだってこの程度のうっすい内容にこんな枚数を読まされなきゃならんのだゴルァ(笑)。とか言ってそれなりには楽しんだ。小津の映画や『僕の夏休み』みたいに退屈を楽しむといった意味で。延々田舎の変化のない日常。やっと怪異が現れたかと思ったらそれからまたダラダラと話が続く。名古屋の寺から派遣された怪しい男が登場したと期待すると更にダラダラ。まあ自分は化け物が顕現した場面が一番飽きる。この冗長さを読ませ切る力量はあるといえるのか2025/07/26
佐倉
20
川津真由美が語るこの村を離れられない理由。2005年の夏に都会から引っ越してきた山賀家と真由美の交流、彼らを迎える祭りの前後に起きた怪異。そして2011年、山賀家の長男を探してやってきた鳳崎と共に朽無村の真実を探ることになる。小学生の視点で理想的な田舎を描く2005年パートと高校生の視点から村のすべてが疑わしく薄汚れたものに見えてくる2011年パートの落差が見事。サトマワリ、シラカダ様や粗暴な霊能者の存在など洒落怖的ガジェットが満載。洒落怖の魅力である大味さを作品の設定に組み込んでいて愛が感じられる。2025/05/10
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