出版社内容情報
“大人になるまで見てはいけない”
九州北部の限界集落、朽無村。
廃村に近いその村に、たった一人、娘が静かに暮らしていた。
村のお社に祀られる“シラカダ様”という異形の神、
サトマワリという謎の慣習、突如消えた一家。
娘が隠してきたのは、代々伝わる異端の信仰と、
村を襲った忌まわしい悲劇の記憶だった。
辺境の集落に潜む悍ましきモノとは―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
19
川津真由美が語るこの村を離れられない理由。2005年の夏に都会から引っ越してきた山賀家と真由美の交流、彼らを迎える祭りの前後に起きた怪異。そして2011年、山賀家の長男を探してやってきた鳳崎と共に朽無村の真実を探ることになる。小学生の視点で理想的な田舎を描く2005年パートと高校生の視点から村のすべてが疑わしく薄汚れたものに見えてくる2011年パートの落差が見事。サトマワリ、シラカダ様や粗暴な霊能者の存在など洒落怖的ガジェットが満載。洒落怖の魅力である大味さを作品の設定に組み込んでいて愛が感じられる。2025/05/10
Junichi Watanabe
3
#読了。因習系のホラーミステリー。500頁超の超長編だが結構読み易かった。途中何度も背中がゾクゾク、話もいい意味で裏切る。最後にタイトルの意味がわかります。怪談話をすると怪異が寄って来ると言いますが、この小説を読んだ時点で何かしらの怪異を呼んでしまっているのではと思う位怖い物語でした。2025/06/09
いこ
3
上質かつ重厚な因習村ホラーだった。2025/05/05
人間
2
洒落怖大好きなので因習村とか大好物 作者の洒落怖へのリスペクトが感じられる素晴らしい作品でした2025/05/04
かさい
2
導入は、洒落怖にありがちな田舎の農村における土着信仰的なところから始まるも、最終的には怪異vsより上位の怪異っていう『ダークギャザリング』小説版みたいな展開になって、だいぶニュアンス変わったなとは思いつつもエンタメとしては面白かったです。洒落怖等の2chのスレッドを「怪異をこき下ろして弱体化させるために実在する怪異を意図的に扱っている設定」にしているところがよかったです。2025/05/03
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