出版社内容情報
坂口尚の3大長編、ついに復刊完了!
ありとあらゆる情報を保有し、姿形を自由に変えるバイオチップ「我素」。
それは人類のVERSION UPなのか。
これは軽快なSF活劇マンガであり、
重厚な哲学的思考実験だ。
人類を発展させてきた知性は、生命の進化系「我素」を求める。
一方、謎ばかりの「我素」は何を人類に求めるのか。
アングレーム国際漫画祭「遺産賞」を受賞し、
世界での名声高まる作家の重要長編作が大判&高精細で復刊!
内容説明
人間は不完全なVERSIONにある。「展生」という進むべき道とはなんなのか。レリギオ教団を率いるエコーは人類の全自我を支配する自我の主人であった。執拗に「我素」を追う教団。その騒動に巻き込まれる八方と映子、そして「我素」内にいまなお存在する日暮博士。映子の前には過去の自分らしい不可思議な子供が現れて―。漫画界の偉大な巨匠の哲学・思想、その精髄が描かれる長編、完全復刊。知性では真の平和も、真の悟りもたどり着けない。けれども人類は想像の力で自由になれるはずだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
20
「私」を疑う「私」。「あなた」を知る「私」。やがて「私」は「私たち」だと理解する。そして「私」は「私」と出会う。そのような論理的展開を坂口尚は、論理に絡め取られずに、あくまで漫画で表現しようとする。終盤、天空の星を見上げる映子の見開きカットがある。次はそこに浮かぶ満月のカット。不意に枯葉が一枚、満月に重なり、そこに波紋が広がる。それは水面に浮かぶ満月だったことがわかる。この一連のコマ割りこそが漫画だと言わんばかりの、なんとも素晴らしい表現だ。2025/04/06
へ~ジック
4
壮大である。そのくらいしか分からない。いつか再挑戦したい。2025/05/04