出版社内容情報
「北海道・東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されて、再評価が高まる縄文時代。今から約1万6千年前に作られた奇妙なデザインの土器やどこか可愛げのある造形の土偶の謎は、多くの現代人を惹きつけてやみません。1万年以上の長い年月のあいだで変化を余儀なくされた縄文時代を漫画でわかりやすくあぶりだします。
内容説明
最新発掘成果や化学分析であきらかになってきたことを追いかけて…。現地直送発掘コミックエッセイ。
目次
プロローグ わたしと暮らしと縄文と
第1章 考古学について―遺跡と土器と研究と
第2章 変わる環境―ムシと嵐と絶滅と
第3章 変わる食―木の実とグルメと分析と
第4章 変わる住居―ススと焼失とインテリアと
第5章 変わる土器―縄と粘土と火の精と
第6章 変わる装い―ムラとおしゃれと悪霊と
第7章 変わる豊かさ―あの子と宴と往来と
第8章 変わる信仰―石と土偶とシンボルと
第9章 変わる埋葬―眠りと祖先とまじないと
エピローグ 終わらない縄文~祈りと命とわたし
著者等紹介
今井しょうこ[イマイショウコ]
1973年生まれ。神奈川県箱根町出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。学芸員資格取得。2010年、ハローワークに出ていた求人で遺跡発掘調査事務所に雇われる。業務は遺跡の発掘から報告書作成のための整理作業まで多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽけっとももんが
10
縄文時代は長い。火焔土器は馬高遺跡で発掘された一つしかなくて他は火焔型土器。土器は屋内で作られていたらしい。いろんな知識が増えるだけで楽しくなる。著者の縄文人になりきる視点がおもしろく、親しみやすい。縄文愛、しかと受け止めました。2025/02/24
乱読家 護る会支持!
5
遺跡発掘調査事務所で働く著者。 各地の縄文時代の遺跡の出土品から、縄文人への思いが広がっていくマンガ本です。 九州の縄文人を襲った鬼界カルデラ大噴火。 縄文遺跡から見つかるゴキブリの存在。 シジミを食べていた縄文人。 豆科を栽培していた縄文人。 縄文人の住居=竪穴住居、茅葺き屋根ではない。 火葬の文化もあった。 非血縁者の合葬の謎。 粘土の採掘場と土器の作り方。 縄文人のオシャレ。 贈答文化で運ばれた黒曜石。 などなど、今の日本人の精神性は、1万年続いた縄文時代に作られたのでしょうね。2025/03/10
カエル子
5
なぜ西日本に縄文遺跡が少ないのか…とぼんやり不思議に思っていましたが、鬼界カルデラの大噴火とその火山灰が混じってしまった粘土が要因だったのか!みたいな、素人が気になるところを適切に教えてくれる有り難い一冊でした。遺跡発掘作業員という学者とはちがう立ち位置で縄文文化に触れている著者だからこその内容かと。そして『土偶を読む』に対する密やかなアンチテーゼなのかもしれない。縄文時代は長いよ。編年を無視しちゃダメよって。とりあえず今年は、山形への土偶詣でを実現せねばな。2025/01/13
じょーもん
3
この作者と同じ職業なので、とても興味深く読みました。最新の情報まで網羅されていて、よーくホントに勉強されているなと。(上から目線でごめんなさい)縄文時代は知れば知るほど面白く、これが正解!というのがないのがいいですね。最近は理系的なアプローチでの研究が進んでいると思います。2025/01/16
くろうさぎ
2
土器や土偶の造形凄過ぎる。どうやって生まれたデザインなんだろう。出来たてはどんな色だったのか見てみたい。25万人前後の人達で一万年もの間どんな暮らしをしていたのか。どんな言葉話してたのか。交通機関も無くかなりの距離移動してるのも凄い。今と体力というか体が違うのか。土偶は絶対宇宙人!この本に出てくる所全部行ってみたい。2025/04/03
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