出版社内容情報
「この子たちに選択肢を与えてあげられるのは世界で一人、私だけだ」
大手化粧品メーカーで働く新田茜は、ある日従姉妹のさやかの影響で、中学受験回避のための小学校受験に興味を持つように。
テレビ局記者の夫を持ち、世間的にはパワーカップルと呼ばれる茜たちだが、お受験の世界はさらに上の富裕層との戦いだった。
仕事と家庭の両立、協力してくれない夫、かさんでいく教育費、思い通りにならない子供たち。
悩み葛藤しながらも、5歳の娘・結衣を名門小学校に合格させるため、茜はどんどん小学校受験にのめり込んでいく。
その先に見えるものとは――。
東京で過酷なお受験に翻弄される家族の物語!
※紙書籍版カバー裏には、特別短篇「新田茜の子離れ」を収録(電子版には収録されません)。
※電子書籍版巻末には、特別短篇「新田総介の人生」を収録。
内容説明
大手化粧品メーカーで働く新田茜は、ある日従姉妹のさやかの影響で、中学受験回避のための小学校受験に興味を持つように。テレビ局記者の夫を持ち、世間的にはパワーカップルと呼ばれる茜たちだが、お受験の世界はさらに上の富裕層との戦いだった。仕事と家庭の両立、協力してくれない夫、かさんでいく教育費、思い通りにならない子供たち。悩み葛藤しながらも、5歳の娘・結衣を名門小学校に合格させるため、茜はどんどん小学校受験にのめり込んでいく。その先に見えるものとは―。東京で過酷なお受験に翻弄される家族の物語!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
149
私の知らない世界の話。小学校受験に挑む家族の話・・怖い怖いのかと構えたが許容範囲で読めた。それでも凄い!(多分現実はもっと過酷)だいたいの家庭は妻が回してる(我が家だけ?)けれど、子供のことは夫婦が同じ意識で見守りたいものだ(どの口で言う?)妻が加速し過ぎた時は、夫は冷静にブレーキをかけられる存在であって欲しい。なんて今だから言えるのかも(汗)新田茜が幼児教室で知り合った2人の母との友情というか戦友?を超えてのお付き合いも好ましく、何より5歳の娘・結衣が良い子で救われる。茜さん、子離れはまだ先だねぇ。 2024/05/30
萩
57
受験を扱った小説が好きなので楽しく読んだが、まー小学校受験は過酷だこと。子の意思よりも親の意向が圧倒的に占める小学校受験に関して賛否があるのは致し方ないだろう。親がレールを敷いてあげることが子どもにとってどれだけ正しいのか。それは結果論でしか語れないような気がする。この作者の他の作品でも受験を扱っていたが、共通しているのは子どもが優秀で手がかからないこと。母親の苦悩はじゅうぶん伝わったが子ども側のストレスも深堀りしてほしかった。とはいえ受験にはまる気持ちもわかる。努力が報われると達成感が得られるから。2025/02/17
sayuri
44
ザ・お受験小説。小学校受験に挑む娘と、その母親を中心に描いた家族小説でもある。母親は仕事をバリバリこなしながら二人の子どもの育児と家事に明け暮れる日々。夫は非協力的。そんな状態で、時間とお金と体力を搾り取られながら、受験の大海原へと進んでいく。片方が必死にオールを漕いでも片方がサボっていればバランスが崩れ、家族もろとも転覆する恐怖。若干六歳にして親の期待に応えようと頑張る娘。ギクシャクしていく家族関係。小学校受験を否定するつもりはないけれど子どもが子どもでいられる間くらいは笑顔で過ごして欲しいと切に願う。2024/03/11
えりこんぐ
42
外山薫さん、2冊目。今回も面白かった。働きながらの小学校受験、めちゃ大変そう。しかも旦那が激務で下の子もいるなんて、毎日の生活を回すだけでヘトヘト。単純に茜は凄いって思っちゃった。そりゃ心のバランスも崩れるだろうな。【図書館】2024/06/20
雪丸 風人
17
小学校受験へ見事な一石を投じた作品。主人公は流され「お受験沼」にはまっていくワーキングマザーです。娘の受験が生活の全てになっていくなかで、幸せだったはずの家族に思わぬ綻びが生じていきます。共感したわ~。子どもの成績が親の自己肯定感を左右するくだりや、歪んだ自尊心が垣間見える部分など、私にも身に覚えのある狂気が描かれていました。親が何かの信者のように受験にのめり込むさまは衝撃的で、こだわり、焦り、葛藤などはリアルそのもの。思わず「それ、解ります!」って叫びたくなるほどでしたよ。(対象年齢は14歳以上かな?)2024/05/06