出版社内容情報
第二次世界大戦、ナチスに侵攻されるユーゴスラビア。レジスタンスに参加した少年は戦争という極限状態で何を見て、何を考えるのか。漫画史に残る傑作、大判での待望の復刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
碧海いお
6
完結。読むのに辛い漫画でした。 終戦後の暮らしは書かれてませんが、兵隊になって生き残った人、収容所に行って生き残った人はどんな暮らしが待ち受けていたのだろうか?2022/10/29
コリエル
5
完結。マイスナーとブランコ、異なる人物から同音異曲に語られる人間についての真実の一端。人はどうしようもなく弱く、妥協に走る生き物。そして権利と義務を投げ出してしまえば、考え続けることを止めてしまえば、その先にあるのは隷従や破滅的な日々だけなのかもしれない。ブランコから、納得するなと問い続けることを託されたクリロは、生涯をその想いのために費やしたのだと信じたい。そこに至るまでに踏みしめてきた命達のためにも。しかし、もっと尺があればなあこれ…2022/06/02
ソバージュ
5
図書館本。1986年の作品を大判で復刊されたもの。全5巻。 第二次世界大戦時ナチスがユーゴスラビアに侵攻し、主人公少年がレジスタンスに、少女は強制収容所で極限状況に置かれ、自由、平和とはと悩み苦しむ姿が描かれた大作。 民族や宗教・思想の対立、胸をえぐられるような史実、自由や平和・現実の捉え方などの問題提起、大いに興味深いものでした。2022/04/04
門哉 彗遙
4
全部読んだ。漫画やけど時間がかかった。国や民族がたくさん出てくるので、理解するのが難しかった。対ナチスだけではなくナチスと戦いながらパルチザンとチェトニクとの全面的な衝突が絡んでほんまややこしい。強制収容所での描写は、もしかしたら映画なんかより悲惨さが表現されていたんではないかと思う。画風もしっかりしていて手塚治虫に似ている。こんな漫画があったなんて。とても深い漫画だった。2023/10/21
KDS
4
平時に人を殺せば逮捕され裁判を受けて刑務所に収監されるし、場合によっては自らも処刑されることだってある。しかし戦争で人を殺せば逮捕どころか英雄扱いされ勲章を貰ったりもする。この奇妙な矛盾はなんと言い表せばいいのか…。「どんな理由をつけたって、人殺しは人殺しだ!」と、本作の主人公クリロは最後までそのことを苦悩し続ける。そうこうするうちに作中では戦争は終結しようやく平和が訪れるが、今また現実の世界ではこの歴史が繰り返されようとしている。国家とはなに?民族とは?ジョン・レノンの「イマジン」が聴きたくなってくる。2022/05/17
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