七冊の『神曲』が断罪する七人のダンテ―むすぶと本。

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七冊の『神曲』が断罪する七人のダンテ―むすぶと本。

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047365209
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

中学生の清良は図書室登校をしている。他人の大声や暴力的な言葉が怖くて、教室に入れなくなってしまったのだ。けれど静謐で穏やかだった図書室も最近すこしおかしい。生徒の集まるネット掲示板に不穏な噂話が書き込まれ続けているのだ。特に“ダンテ”の発言は過激で、皆がその話をするようになっていた。そんなある日、清良は同じ図書室登校だという眼鏡の少年と出会う。しかも彼は本と話せると言い、黄金の『神曲』を紹介してくれるのだけれど――。

内容説明

居場所をなくした少女は図書室で黄金に輝く本に出会った。それは、地獄へ続く門だった―中学生の清良は図書室登校をしている。他人の大声や暴力的な言葉が怖くて、教室に入れなくなってしまったのだ。けれど静謐で穏やかだった図書室も最近すこしおかしい。生徒の集まるネット掲示板に不穏な噂話が書き込まれ続けているのだ。特に“ダンテ”の発言は過激で、皆がその話をするようになっていた。そんなある日、清良は同じ図書室登校だという眼鏡の少年と出会う。しかも彼は本と話せると言い、黄金の『神曲』を紹介してくれるのだけれど―。“本の味方!”榎木むすぶが繋ぐ本と人のビブリオミステリー第2弾!

著者等紹介

野村美月[ノムラミズキ]
福島出身。『赤城山卓球場に歌声は響く』で第3回えんため大賞小説部門最優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ポップノア@背番号16

69
前作は小さな本屋さんの閉店フェアを手伝う内容だったが、今回は中学校の図書室での話。ダンテの額に刻まれた七つの大罪をモチーフに七章から成る短編は、どれも辺獄(リンボ)と呼ばれる天司中学校の裏サイトにハンドルネーム⋅ダンテが噂や中傷を書き込んだ事に起因する。英語研究会で3年生を引退に追い込む為のクーデターを企てる「怠惰」が1番好みで感動もしたが、ダンテの正体が解ると全てが弾け跳んだ。本の声が聞こえる謎の少年⋅むすぶと、入学時から図書館登校を続ける内気な清良(きよら)は微笑ましく、淡い恋愛模様も読みたかったな。2021/05/20

よっち

44
他人の大声や暴力的な言葉が怖くて、教室に入れなくなってしまい図書室登校する中学生の清良。そんな彼女は同じ図書室登校だという眼鏡の少年・榎木むすぶと出会う物語。生徒の集まるネット掲示板に不穏な噂話が書き込まれ続け、静謐で穏やかだったはずの図書室が最近すこしおかしいと感じ始める中で、ともに過ごすようになるむすぶに勧められた黄金の『神曲』。七つの大罪をテーマに展開されるエピソード、そして積み重ねていった先にあるひとつの結末には苦しいだけでなく光明や確かな変化もあって、とても著者さんらしい物語だったと思いました。2021/02/26

ゆなほし

36
今巻の主軸はダンテの「神曲」。学校裏サイト辺獄には、大罪を犯した生徒に対してダンテと名乗る人物からの書き込みがある。むすぶはそっと、いつものように本の声を聞いて生徒たちを導こうとする。悪を悪と決めつけず、更生に導いていくのがむすぶらしい。最後に断罪された生徒には驚いた。夜長姫とむすぶのくすぐったくてむずむずする絡みはやや控えめ。それぞれの罪は思春期にありがちだが深刻なもので、ともすれば暗い内容になりそうなお話を、むすぶの柔らかい雰囲気と夜長姫との(良い意味で)とぼけた会話が緩衝して、読後はすっきりする。2021/10/27

harupon

29
今回は中学校の図書室でのお話。むすぶは転校生でしかも図書室登校をしている。むすぶは高校生だったはず。過去の話かと思った。ダンテ「神曲」、いやぁ~重苦しいな。裏サイトの書き込みとか。七つの大罪「暴食」「情欲」「高慢」「貧欲」「怠惰」「嫉妬」「憤怒」。中学生が登場する話にしては過激とも感じたけど、今時なのか。最後でやっと解けた。私の頭では少々しんどかった。斜め読みにて読了。やきもち焼の夜長姫は、今回はお留守番。ちょっと淋しかったよ(´;ω;`)ウッ…2022/02/22

わたー

27
★★★★★教室に入ることができずに図書室登校をする少女が、本と話すことのできるという謎めいた少年むすぶと出会うことから始まる、ダンテの「神曲」をテーマにした連作短編。7つの大罪に苦悩する少女たちが赦しを得るための物語で、個々の短編のクオリティもさることながら、それら全てをまとめあげた嫉妬から憤怒、エピローグまで見どころしかない。文庫の本編も面白いが、1つのテーマに絞ったこのような番外編もまた面白いので、今後も交互に刊行してくれると嬉しい。2021/04/20

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