- ホーム
- > 和書
- > コミック
- > 少年(小中学生)
- > KADOKAWA ハルタC
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
112
明治初期。江戸時代の面影が残る地方の風俗を知ることが出来る。原作も読了しているのですが、漫画だと絵で分かりやすく読めますね。今回は秋田の旅。当時は結婚で櫛を贈っていたのですね。子供の教育や躾でも、日本とイギリスだと違うなと思います。その国が育まれた環境にもよると感じた。また、当時は牛を日本でも食べ始めたばかり。農耕が中心の日本では牛は大切な労働力。家畜ではなく家族の一員の気持ちが強かったと思う。食べる事に抵抗はあるだろう。原作でかなり印象に残った蝦夷の旅。食事や刺青等をどう描くのか気になる。刊行が楽しみ。2020/08/29
アルピニア
56
当時の秋田の隆盛が窺われる巻。夏さんや村の神童の話では、女性の生き方や子供の教育についてのイギリスと日本の違いが見えて興味深い。伊藤がマメに手紙をやり取りしていることには驚いた。ついに覚悟を決めて蝦夷への旅に臨む二人。パークス公使夫妻とマリーズの駆け引きにドキドキ。そしていよいよマリーズとの直接対決が迫る!バードさんが、東洋医術も受けていたとは・・。どこまでが事実でどこが脚色なのか、毎巻気になる。原作の「日本奥地紀行」を併読するともっと楽しめるだろうと思うのだがなかなか手が出せない(>_<)2020/08/21
六点
51
船頭の嫁の話で、知識としては知っていた、離婚のカジュアルさと、それに纏わる習慣についてを「絵にされる」と、バードが受けた衝撃を追体験してしまった。漫画というメディアの凄さである。なお、今頃になって「通訳される前の日本語」は吹き出しに青蓮院流の草書で記されている事に今頃になって気づく。しかも方言で。オイはまっ事恥ずかしかッ!腹ば切り申すッ!書体に馴染みはない物の、5代か6代前のぬこ田の祖先達は、この文字で心情を伝えていたのである。そのような驚きと発見を作画の中から、惰性とならずに見つけ出せるこの作品は凄い。2020/08/24
美周郎
38
お礼状のくだり、訳して読んで聞かせる、女史が書いたその返事を翻訳して書いてそれぞれに送る、さらっと書いてあるけど伊藤大変。手紙の普及する文化って識字率は勿論、安価なこと、ちゃんと届けられるという信頼が大事だと思う。2020/08/13
りー
37
バードさんと伊藤の旅も終盤に入ってきました。しかし改めて見ると、この方は戊辰戦争でボロボロになった土地を進んでいき、しかも蝦夷が最終地点。驚異のアラフィフです。伊藤を取り戻そうとするプラントハンター=マリーズ氏との対決も迫っているようで、緊迫してきました。この巻では文字が書けない人は3行縦線を引いて母音を押せば成立した「三くだり半」、17回の結婚が経験値としてむしろ尊ばれる庶民の結婚観などが出てきます。明治初期の一般的な生活、絵にするのも大変だろうに、貴重な漫画です。2020/08/12