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出版社内容情報
道徳と倫理を問い、存在と概念を惑わす「少し不思議」な博物館へようこそ。不死で不滅な「金魚の人魚」が巡る、時空間の景色。
自分だけが「時が停止した真夜中」に行われる遊び。
亡くなった「あの人」と約束した、千年ぶりの再会。
ウェブで話題の作品群に描き下ろしを加え、待望の単行本化。
●収録作品
『有害無罪玩具』
『虚数時間の遊び』
『金魚の人魚は人魚の金魚』
『盆に復水 盆に帰らず』
詩野 うら[シノ ウラ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナクマ
31
面白かった。何か受賞はしていないのだろうか。深いSF穴に嵌まりこんでセンスオブワンダーに身を委ねる没入感。たとえチラシの裏であったとしても、作品を書き連ね仕上げて世に曝すことの意味、意義。◉道を認識するものがいなくなったために、その存在(概念)が地表から消えてしまう「道の神」が素晴らしい。後には何も残らないのだ。◉全4話。不思議道具と無限分岐世界。永遠の夜の徘徊者。死なない金魚人魚。盆に帰る人を待つ人。◉連書「ドラえもん」「火の鳥」「キラキラ星のジッタ」2019/06/05
アナクマ
22
表題作。時間、自我、認識、それらを揺さぶるような子ども向け?架空玩具を集めた博物館。収蔵品を次々と使ってみせる館長だが、どれも立ち止まってしばらく考え込んでしまうSFワンダフルな品々。「見る人の五感すべてをだまして その人にとって最も好ましいデザインに感じさせる人形」は、受けとめる人によって姿かたちが異なる(ように感じる)。つまり、真の姿は誰にも知れないという不気味な一品。などなど。あなたの自意識は入館前と後で同一に保たれているだろうか。てな感じ。2025/05/04
田氏
15
最長・最短両方向の極限時間世界を、彼岸と此岸をも行き来し、全編余すところなく思索、余すところなく哲学。レーモン・ルーセルの『ロクス・ソルス』と、オラフ・ステープルドンの『スターメイカー』と、あとディックとかレムとかなんやかんやの、不安になる部分ばかりを撹拌し、真っ黒になるまで煮詰めて凝ったやつに似ている、あるとすれば、たぶん。トーン不使用の執念的な画風といい、なんとなく漫画を描き始めてfc2で公開し始めたあたりといい、インデペンデントというか、野生である。野生すぎて作者の近況がわからないのが残念ではある。2024/10/14
みやしん
13
センスオブワンダー。令和の時代にここまで奇想天外な書に出会うとは。虚数時間が再び動く日は…?なんて通常の思考では処理できない摩訶不思議な中篇集。2020/03/05
アナクマ
10
(p.73)夜中に私以外の時が止まったのはもうずっと昔のことで、それからどれくらい経ったのかもう思い出せない。2021/05/15