角川ＳＳＣ新書 消費税２５％で世界一幸せな国―デンマークの暮らし

スズキ，ケンジ・ステファン【著】〈Ｓｕｚｕｋｉ，Ｋｅｎｊｉ Ｓｔｅｆａｎ〉

角川マガジンズ（2010/11発売）

• サイズ 新書判／ページ数 174p／高さ 18cm
• 商品コード 9784047315341
• NDC分類 302.389
• Cコード C0295

内容説明

いわゆる高福祉国と呼ばれる国の実態を、デンマークを例に見る。デンマークは数々の調査で「世界一幸せ」とされる国。こうした高福祉国は高い税金を課される高負担国でもあるが、そのような社会で幸せを感じるのはなぜか？デンマーク在住４０年超、国籍もデンマークにかえた著者が、政府系機関の報告では見えてこない、国民目線でその理由を説く。例えば国は風邪には薬も出さないが、命に関わる病には全力で治療にあたる。もちろん無料で。こうした徹底した「無駄の削除」と「安心感」が世界が注目する独自の“デンマークモデル”として結実している様子を見ていく。

目次

第１章　デンマークの高福祉社会―なぜ、国民が「幸せ」を感じるのか（医療制度；出産・育児制度；教育制度と就職システム；年金制度；高齢者福祉制度；生活支援制度）
第２章　デンマークの高負担の実情―国民総背番号制と財源（個人登録番号制度；個人登録番号制度と納税制度　ほか）
第３章　デンマークの問題点と共生社会―離婚・自殺・小家族・給与格差…（社会福祉と離婚の増加；高福祉でもなくならない自殺　ほか）
第４章　デンマーク史概略―高福祉国が生まれた歴史的背景（平坦な国土；１４‐１５世紀の隆盛　ほか）

著者等紹介

スズキ，ケンジ・ステファン［スズキ，ケンジステファン］［Ｓｕｚｕｋｉ，Ｋｅｎｊｉ　Ｓｔｅｆａｎ］
旧姓・鈴木健司。１９４４年岩手県生まれ。１９６７年に青山学院大学を中退してデンマークに渡り、７９年デンマーク国籍取得。デンマーク人女性と結婚し３女を授かった。６８年コペンハーゲン大学入学。その後、在デンマーク日本大使館勤務等を経て、９０年「ＳＲＡデンマーク」を設立。デンマークが世界的にリードする風力発電、バイオマスプラントを日本に普及させる事業を手がけている。風力発電機はこれまで石川、千葉、高知など各所に設置している（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[☆ゆう☆]

One of the happiest countriesーデンマーク。具体的にどういった政策が国民の幸福度を上げているのかを知りたくて手にした。非常に面白かった。かかりつけ医の仕組みや、職業に直結する教育制度など。国民は納得して税を納めているのがよく分かる。国家と国民の間の信頼関係、共生(symbiosis)の精神が根底にあるからこそ成り立っている制度である事を学んだ。だが一方で離婚やその孤独感から自殺者が増えるという弊害も生じているということは覚えておかなければならない事実である。(Kindle)

2014/03/30

[でんか]

デンマークに帰化された筆者によるほん。仕事もし、結婚・離婚などもしておられるので、大変具体的で、なおかつ日本との対比がわかりやすくえがかれている。高負担で高福祉という、デンマーク式の国運営にはなるほどと思わされることが多々あった。まるごと日本に当てはめることは難しいであろうが、参考になることはいろいろありそう。

2018/05/10

[ＪＵＮ]

一概にどちらが良いとは言えないが、色々な考え方、思想があって、各国の異なる仕組みが出来上がっている。

2023/10/16

[たー]

国家と国民の間に信頼関係（共生の思想）があるからこそ成り立っている高負担・高福祉なんですね。日本はデンマークと同じことを目指すかどうかは別にしても、まずは政局に明け暮れる政治家、あら探しばかりの大衆（というよりマスコミ？）それぞれの姿勢を改めないと…

2011/04/10

[Riopapa]

教育が無料で、何歳からでも大学で学べるというのは羨ましい。一方で、大学卒と高校卒の収入の差は、本人のやる気次第という競争的な面も。

2015/04/27