脳に棲む魔物

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脳に棲む魔物

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  • サイズ B6判/ページ数 374p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047313972
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

出版社内容情報

ある日突然、正気と狂気の境界線を超えた24歳の女性記者。医師のだれもが治療困難な精神疾患の診断を下したが……! 医学ミステリーを超える面白さ。NYタイムズ第1位の衝撃の医療ノンフィクション。映画化決定

内容説明

マンハッタンでひとり暮らしをする24歳の新聞記者スザンナが心身に変調を来したのは、ある朝突然のことだった。最初は虫に噛まれたものと高をくくっていたところ、徐々に左腕がしびれ、それが左半身にひろがっていった。同時に、仕事への意欲を失い、部屋の片付けさえできなくなる。幻視や幻聴を体験したすえ、口から泡を吹き、全身を痙攣させる激しい発作を起こすまでになる。医師の見立ては精神障害ないしは神経疾患。処方薬はまったく効果がなく、検査でも原因を突き止められない。症状は悪化の一途をたどり、医師たちが匙を投げかけたとき、チームに加わった新顔の医師が精神疾患の疑いを否定し、最新の医療研究が明らかにした病因を提示して…人格を奪われ、正気と狂気の境界線を行き来した日々を、患者本人が聞き取り調査や医療記録、家族の日誌などから生き生きと再現して全米に衝撃を与えた医療ノンフィクション。

目次

1 クレイジー(トコジラミの憂鬱;黒いレースのブラジャーの女;カロータ ほか)
2 時計(カプグラ症候群の妄想;発作後の激情;多重人格障害 ほか)
3 失われた時を求めて(ビデオテープ;動物のぬいぐるみ;ワイルド・アット・ハート ほか)

著者等紹介

キャハラン,スザンナ[キャハラン,スザンナ] [Cahalan,Susannah]
高校3年で“ニューヨーク・ポスト”のインターンシップで働き、ワシントン大学卒業後、同紙に入社、雑用係を経て、報道記者に。スキャンダルから犯罪まで幅広い分野をカバーして記事を書く。2009年、24歳のときに原因不明の神経疾患にかかる。復帰後その闘病記「記憶から抜けおちた謎と錯乱の一カ月」を書いて話題となり、シルリアン優秀賞を受賞。現在は、ニュージャージーに在住、“ポスト”紙で主に書籍関連の記事を担当している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

75
突然、自分が自分でなくなり、妄想や幻覚に襲われるようになった作者。原因は、悪魔憑きでも精神疾患でもなく、身体を病から守る免疫機能が脳を異物と判断して攻撃したことで起きた脳炎によるものだった。因みにそうなる原因は未だ、不明である。とは言え、患者を希少な症例の実験体としかみない医師の不用意な言動や「いつ、元に戻るの?」という周囲の何気ない無理解や誤った優しさの一言は家族を傷つけている事実には胸が痛みます。そしてこの症状に対する理解者がいなく、お金もないが故に治療が受けられず、死んだ人がいるという現実にも。2015/05/01

*すずらん*

74
人は感情の生き物だというけれど、脳で生きる生き物だと訂正したい。私達は心臓が動いているから生きている。だけどそれ以外の全てを脳は司っている。見て聞いて感じるのは、私がしているのではなく脳がしている。この感情も私が覚えているのではなく、脳が発露しているのだ。脳に頼り切って生きているのに、身体を守る為の自己免疫が、ある日急に脳を攻撃し始めたらどうなってしまう?私が私でなくなるとはこういう事をいうのだろう。自分をコントロールできないとはこういう事をいうのだろう。そんな日がいつ来ても、私達はおかしくなく生きている2014/10/18

marumo

21
若く美しいニューヨークポストの記者。怖いもの無し、無敵、有頂天のはずの作者が、部屋にトコジラミがいると思い込み騒ぎ出す… 妄想、幻聴、不調によってみる影もなくなっていく。突然、精神病を発症したと診断され様々な医師が治療に加わる。自己免疫疾患と明らかになり回復、復職まで7ヶ月。恐ろしい。最初の診断で諦めていたらどうなっていたのか。医師に食い下がる根性、情報力が大切だと思い知らされたのでした。2019/01/03

くさてる

18
ある日突然、存在していない虫に噛まれたという思いこみ、左半身の異常、仕事への意欲の消失、幻聴や幻覚が著者を襲い、彼氏の前でてんかん発作を起こしたことから入院へ。著者の病の正体が明らかになるまでの過程もスリリングだし、それを支える家族の献身や治療に取り組む医師たちの活躍、なにより病から回復していく著者の姿が生き生きと描かれていて、一気に読んだ。こんな病が存在していたと知らなかったけれど、もし自分がこうなったら…と思わずにはいられなかった。読み応えあり、読後感も良いです。2014/06/22

うさっち

16
ある日とつぜん原因不明の難病に冒された女性記者のノンフィクション。幻視や幻聴から精神疾患を疑われるが救世主となる医師との出会いで本当の病名がわかる。自分が自分でなくなる恐怖と家族や恋人の献身的な支えなど読み応えがありました。もし自分の家族だったら経済的、精神的に最後まできちんと支えられるのか正直自信がありません。2018/12/13

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