内容説明
帝王学の書「易経」から、龍の成長物語「乾為天」だけを取り上げて、やさしく解説した超入門書。龍が潜龍、見龍、乾〓(てき)、躍龍、飛龍、亢龍と成長していく6つの過程を通して、真のリーダーとはどうあるべきか、どう行動するべきかについて、すぐに実践できる具体的な智慧を紹介しています。大切なことは大自然の原理原則に則ること。経営者だけでなく、これからリーダーを目指す人、易経を読んでみたい人にお薦めの一冊。
目次
第1章 潜龍から乾〓(てき)―志を打ち立て修養に励む
第2章 躍龍から亢龍―リーダーとして立つために
第3章 リーダーの原理原則―易経の基礎知識
第4章 志を抱き、原理原則の型を学ぶ
第5章 反復継続する
第6章 昇り龍になって天を飛翔する
第7章 龍は、昇りつめて落ちていく
著者等紹介
竹村亞希子[タケムラアキコ]
易経研究家。東洋文化振興会相談役。1949年、名古屋市生まれ。中国古典「易経」を、占いではなく古代の叡知の書としてわかりやすく紹介。全国の企業、官庁で講演やセミナーを開催。易経全文を読むのに10年をかけるNHK文化センター(名古屋)「現代に生きる『易経』入門」講座は、今年で18年目に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫羊
15
先だって読んだ著者の「超訳・易経」は、陰が極まった坤為地の卦を中心に、困難な時代を生き抜く知恵が語られていた。今回は、陽が極まった乾為天の、龍の成長の物語を通して、リーダーとはどうあるべきかが述べられている。難しい易経を、わかりやすく解説してくれている。潜龍がさまざまな試練を乗り越え成長し、やがて飛龍となり、さらに昇りすぎた龍である亢龍となり勢いを失っていく過程は、私のように、リーダーという立場にない者にも、生き方のヒントとなった。2014/10/12
nizimasu
6
正直、易経というと占いの本かとおもっていましたが、それ以外にも人間の春夏秋冬を描いた処世訓集でもあったりするというのは驚き。しかも竜の姿をリーダーに置き換えた帝王学の本でもあったりします。最近、書き物の本として、その古さと古典の深さに興味を持っていた矢先に非常に興味深い内容。7つの様相で竜を人間になぞられるという世界観は占いや、スピリチュアリズムの元祖と行ってもいいかもしれない。中庸の発想もこのあたりからきているのか。とにかく紀元前の中国の叡智の奥深さにしばし熟読いたしました。2014/07/28
Hiroki Nishizumi
3
龍の成長物語:乾為天、とても興味深く読めた。解説が上手だ。原典にあたりたくなった。2015/04/12
Fumi
2
「リーダーの」というのは、易経の六十四卦のうち乾為天を龍の栄枯盛衰の物語として解読した時に学べること、という意味かと思う。その大筋は第2章まででわかり、そこまでは参考になったので、そこまでで十分だった印象。 興味深かったのは、副題にある通り、「兆し」を察知するという点。変化には目に見えるものと見えないものがある。ましてや、その変化をどう受け止め、行動するか、は個人の主観に基づくため、ここがより良くなるように注意したいと思うに至った。2018/04/22
moon
1
難解な『易経』の内容を具体例をもとにわかりやすく解説されていて、読みやすくまた日々の生き方を反省させられ、今後の指針となる作品でした。読後、再び原典にチャレンジしようかなという思いがわいてきました。「龍の話」は、老荘思想に影響を受けたというファンタジー作家、アーシュラ・K・ル・グィンの「ゲド戦記」シリーズのゲドの成長から死に至るまでのストーリーと重なりました。こちらの本も、もう一度読み返したら、何か新しい発見があるかもしれません。2016/03/04