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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
63
「神殿」「魔犬」「名もなき都」の三篇を収録。「名もなき都」では久しぶりにあの二行連句に触れれて満足である。それにしても著者の作品は相変わらず影の使い方が素晴らしい。「魔犬」の銃を構えた時の顔に映るその影とか。また細かいところまで書き込まれるタッチ等は、壮大な建物に良く映える気がしていたのだが「神殿」の描写でそれが証明された形。それまで舞台が基本闇の中なので、神殿の神々しさが倍化しているし。それにしても「名もなき都」、以前原作で読んだ時は主人公結局助からなかったように思ったのだが、勘違いだったのかなあ。2022/01/15
Bugsy Malone
59
ラヴクラフトの小説はまだ全集の1巻を読んだだけで、このコミックの「神殿」「魔犬」「名もなき都」は未読。にもかかわらず、小説のあの感じ、虚無感、絶望感、そして全編を通した無音感は充分感じられた。小説の方を読んだらまた読み直してみたい。2015/12/27
眠る山猫屋
48
唸る、ラヴクラフトの雰囲気をまさに継承したような作風に。書き込みが多く、人物像も巧いわけではない。だが、この作者さんはラヴクラフトの逼迫した空気感を我が物にしているように感じた。冒頭のUボートの物語、理智的過ぎて狂えなかったハインリヒ艦長が深淵へと踏み出して行く様、禍々しいものは何一つ現れていないというのに、それでも静電気のように背筋をはしる恐怖を得る。初めてラヴクラフトに触れた時を思い起こす。2018/08/17
sin
48
小説には“間”というものが確かに在ると思っている。それは作者が情景を想い浮かべる際の(そして読者がそれを受け取る瞬間)そういったものの様な気がしている。そういった“間”は視覚化すると、ともすれば消し去られてしまうのが常であるようだが、この作品にはそういった“間”が生きている。モノクロームのコントラストが程よい想像の刺激を与えてくれる。その効果に僕の感じる“間”が観られるのだ。いやそれよりもなによりもここで生み出される“間”は作者が真摯に原作を受け止めているからに違いないと思えてならない。2014/09/02
ライマウ・フレツリー
27
表題の中編1編+短編2編(「神殿」「名もなき都市」)。それぞれにタイプの異なる恐怖が…。個人的には、じっくりと狂気が濃縮されていく「神殿」に震えた! 2017/12/23
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