- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > ティーンズ・ファンタジー
- > ファミ通文庫
内容説明
最近、仲西景の様子がおかしいことに俺、青井晴は気づいていた。穂高結衣の発作に巻き込まれ続けた仲西は、自らも「現空混在症」という病に蝕まれていたんだ。幻聴や己の中の別人格に悩まされ、現実と空想の狭間で苦しみ、やがて恋人の結衣の存在すら忘却してしまった…。結衣は失意の中で、それでも仲西を救う方法を探している。そして俺もまた、あいつを救うために、ある「芝居」を計画したんだ―。狂騒と純真の「ボーイ、ミーツ、空想少女」終幕。
著者等紹介
本田誠[ホンダマコト]
1982年生まれ、東京出身。都内の私立大学を卒業後、紆余曲折を経て小説の投稿を始める。「セカイを敵にまわす時」で第11回えんため大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぺぱごじら
36
三回セカイを救うと、気が大きくなるのか日常と非日常とのスケールの違いに心がついていけなくなるのか…。度重なる空想病感染の影響で『現空混在症』を病んだ仲西景。最終巻は、はっちゃけ度は徹底して抑え込まれ、神妙なトーンで『現実回帰』を促すお話。周囲の友人が懸命に景を支える姿は良い話だとは感じるものの、ヒロインが景の病の克服に全く手が出せず、心配する姿すら描写がないのは、ちょっと可哀想。しかしまさか、存在していただと…?そして最後はどこに消えたのだ?終わり方は潔くて好ましい。楽しいシリーズでした。2011/07/23
くろり - しろくろりちよ
25
本編四冊目にして終幕。三冊目はメタメタにメタ世界だったから。景が現空混在症にかかってしまうお話。何が自分なの?何が事実なの?何が真実なの?否定、混乱、混沌。それでも戻って来たね、景。しかしヒロインであるはずの結衣さんやっぱり影薄い…最後まで青井に勝てなかったね。全てを晒して景に向かった青井、素敵だったなぁ。森崎×今井さんも丸く収まった感じ。主人公カップルより幸せになってね青井、と。2011/07/24
星野流人
23
現実と虚構が入り交じり、全てがあやふやに見えてくる“空想病”ラノベ、堂々完結。景自体が病に蝕まれ、現実から逃げ、自らの世界へと閉じ籠ってしまう……という物語は形で描かれる。1〜3巻までがダイナミックに読者を騙しにかかる造りだったためか、これまでとは違った形で描かれる現実と空想のあやふやさには、ちょっと困惑。最終的にはうまくまとまってくれはしたものの若干の疑問は残っており、いろいろと細かい部分を解釈して楽しめそう。2013/01/24
KUWAGATA
11
完結。非常に形而上的な内容だったので、追いかけるのが楽ではなかった。もう少し、1巻や短編集のようなノリで話を進めてもよかったのではと思う。本当は、この物語全体を包み込むような、もっと大きな仕掛けがあるのではという勘ぐりがあったが、物語の広がりそのものは、おおよそ全編を通して変わらなかったように思う。要は、ほとんど全ての出来事は、登場人物の半径に収まる広さの中でだけ。特に4巻は非常にセカイ系が色濃く出ていた。どうでもいいけど、私の中ではいつの間にはメインヒロインは晴に変わってしまっていた(笑)2014/02/13
ゼロ
11
現空混在症という病に蝕まれた仲西景。読みにくさもピカイチで、全体的にふわふわしていた。芝居があったり、本物のピエロ ザ リッパーが登場したりと面白い要素はあるのに雑に散りばめている感じ。言い方を変えれば詰め込み過ぎで、あと一冊は続けて欲しかった。前作のラストからなら、まだ物語を続けられたし、エヴァを沸騰させる部分があったりとマイナスな部分も目立つ。ただそれ以上に青井晴がヒロインをしており、全裸になったりとサービスが多かった。2人がお似合いのカップルだと思うし、終わりも悪くなく、最後まで楽しめた作品でした。2011/08/10