出版社内容情報
歌舞伎、小説、漫画、ゲーム……忍者は、さまざまな作品に登場しえがかれることで、そのイメージを縦横に変化させてきた。その軌跡をたどり、現代の忍者イメージの根源を探る。
内容説明
黒装束で忍者刀を携え人並み外れた力をもつ。我々が「忍者」といって想像する姿は、歴史上に存在した実際の「忍び」とはかけはなれたものである。特殊な服装で特殊な武器をもっていては、自ら正体を明かしてしまう。それではなぜ現在のイメージになったのか?中世軍記に描かれた姿や名将楠木正成、近世の石川五右衛門、飛加藤、装束や武具の誕生、忍術と妖術の関係、マンガや映画ほか、忍者の虚像を通史的に読み解く。
目次
第1部 軍記の中の忍び(『太平記』の忍び;忍びのさまざま)
第2部 近世忍者像の成立と変遷(石川五右衛門―豪胆な悪の魅力;飛加藤について―忍者ができるまで;忍者のさまざま)
第3部 忍者の表象(忍者装束の発生と展開について;手裏剣と忍者)
第4部 忍者像の深化(忍術と妖術;猿飛佐助と真田十勇士;変わりゆく忍者像)
著者等紹介
吉丸雄哉[ヨシマルカツヤ]
1973年、長崎県生まれ。三重大学人文学部教授。博士(文学)。専門は日本近世文学、忍者忍術学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きみたけ
54
いや〜、さすがに470頁を読むのに骨が折れました😅「忍者」について様々な角度から検証した一冊。通常「忍者」といって想像する姿は、歴史上に存在した実際の「忍び」とはかけ離れており、その違いについて書き記しています。第一部「軍記の中の忍び」では太平記や理尽鈔に記されている忍びについて検証。第二部「近世忍者像の成立と変遷」では石川五右衛門や飛加藤について、史実と江戸時代の演劇作品とを比較しながら検証。また、変わりゆく忍者像など、近代・現代の忍者を扱った様々なジャンルの作品も比較しながら幅広く研究しています。2023/07/26
おせきはん
27
実在の「忍び」と、「忍び」を題材につくられた「忍者」の違いを明らかにしています。想像上の存在である「忍者」にも、物語が書かれた時代により、そのときに伝えたかった思いが込められていることを理解できました。これからも時代に応じて変身する「忍者」の姿を楽しもうと思いました。2023/04/29
takao
3
ふむ2023/04/30
Go Extreme
3
軍記の中の忍び: 『太平記』の忍び 忍びのさまざま 近世忍者像の成立と変遷: 石川五右衛門 ─ 豪胆な悪の魅力 飛加藤について ─ 忍者ができるまで 忍者のさまざま 忍者の表象: 忍者装束の発生と展開について 手裏剣と忍者 忍者像の深化: 忍術と妖術 猿飛佐助と真田十勇士 変わりゆく忍者像 2022/05/25
onepei
3
文字による忍者イメージの形成史。2022/05/08