出版社内容情報
死を思え、死者を凝視めよ。日本古来の死生観を見つめ直す、著者入魂の書
内容説明
とどまることのない延命長寿化のなか、みずからや家族の死を「どのような形で迎えたらよいのか」という問いが、いま私たちを苦しめている。無葬無墓・散骨葬・寺院消滅・脱宗教―死を棚上げしたまま肥大化する社会現象に、解決への糸口は見つかるのだろうか。折口信夫『死者の書』と柳田国男『先祖の話』という、戦時下に著された二つの書を導きに、鎮魂・供養・往生・看取り等から、日本古来の信仰や死生観を見つめ直す。
目次
第1章 戦後と東北
第2章 英霊と鎮魂
第3章 供養と骨
第4章 折口と柳田
第5章 往生と看取り
第6章 死と生
著者等紹介
山折哲雄[ヤマオリテツオ]
1931年生まれ。宗教学者。東北大学文学部印度哲学科卒業。同大学文学部助教授、国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター教授、同センター所長などを歴任。著書は『愛欲の精神史』(和辻哲郎文化賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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元気伊勢子
9
なかなか重く、難しい話もあった。先祖のことは、考えたことはあまりないが、先祖がいなければ自分は生きてはいない。そんな当たり前のことを今、思い知らされた。2021/12/05
ブルーハート
6
重いテーマではある。が、多分これは筆者の生と死に対する自由奔放な語りなのだろう。この語りを楽しいと読むか、あまりにごちゃごちゃだとみるかは読者次第だろう。無論、筆者には関与しないところだろうけれど。2018/02/08
めっかち
4
柳田國男の『先祖の話』と折口信夫の『死者の書』を軸に日本人の「死」を問う一冊。『東京だヨおっ母さん』と『九段の母』の比較が面白かった。いろいろ考えさせられたが、なかなか答えの出る話でもないと思った。2023/01/18
乱読家 護る会支持!
3
折口信夫の『死者の書』、柳田国男の『先祖の話』から、日本古来の信仰と死生観を紐解く。。。 全編に流れる先祖崇拝、死者崇拝の思想。僕より32才歳上の著者の価値観は、僕には理解できない。僕にとって、死者は感謝と尊敬の対象ではあるけれども、信仰心、崇拝心はないなぁ、、、2018/11/19
石橋
1
「死の民俗学」を読了してから、この本が積ん読だったことを思い出す。趣旨は概ね同じで、東日本大震災を経て書き改めた内容。遺骨を重要視する日本の文化について復習。2022/11/13