角川選書<br> ネット社会の「正義」とは何か―集合知と新しい民主主義

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角川選書
ネット社会の「正義」とは何か―集合知と新しい民主主義

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047035454
  • NDC分類 311.7
  • Cコード C0336

内容説明

インターネットが社会の前提となった今日、人々の知恵をオンラインで結び、その「集合知」を活かす試みが成果をあげている。“健全で柔軟”なこの「アマチュアの知」を、政策決定や社会正義をめぐる難問に応用するにはどうすればよいのだろうか?公共哲学や政治思想における近年の議論を再検証し、思考実験を交えながら新たな“集合知民主主義”を打ち立てる。

目次

第1章 アマチュアとしての発言
第2章 集合知を問い直す
第3章 正義とは何か
第4章 集合知民主主義の正義基準
第5章 単階層社会集団モデル
第6章 多階層社会集団モデル
第7章 ネット集合知でもとめる正義(結論)

著者等紹介

西垣通[ニシガキトオル]
1948年生まれ。東京大学工学部計数工学科卒業。工学博士。株式会社日立製作所、スタンフォード大学にてコンピュータシステムを研究したのち、明治大学教授、東京大学社会科学研究所教授、東京大学大学院情報学環教授などを歴任。現在、東京経済大学コミュニケーション学部教授。東京大学名誉教授。1991年に『デジタル・ナルシス』(岩波書店)でサントリー学芸賞(芸術・文学部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬参仟縁

17
3・11原発事故の苦い経験をプラスに転じることも可能(27頁)。生命活動の保存発展にたちもどる知と、機械的効率の向上を追求する知とは質が異なる(37頁)。集合知とは、群れをつくり、協働することで、個体の生存能力をこえた機能を果たす(40頁~)。この間の拙講義でご指摘のあった、ロールズの無知のベールは、カントの議論が下敷きとなる。全員自分がどんな存在か知らない無知のベールでかぶれば、平等の原初状態となる(142頁~)。2014/11/21

tolucky1962

8
評価基準と解がない大規模問題は細分化した知で解決できず政治・官僚が決めるが,集合知と熟議が必要。ネット行動記録・集合的無意識の機械抽出は設計者が介在する。効用最大化が正義の功利主義。人権が正義の自由主義。伝統的共通善が正義の共同体主義。自由主義の制約条件を満たす功利主義で検討すべき。共同体主義の共通善は非明示的に機能する。リーダーが合意を目指して議論をまとめる。集合知的民主主義はボトムアップの熟議を下位から上位集団の結果が送られる。多数決でなく熟議で意見集約をする時間と手間が必要だ。2024/05/05

hiyu

5
とかく正解がない領域における議論の在り方、志向性については興味のあるところ。実はちょっとついていけなくなるところもあったのだが、集団の数という視点で見たそれぞれの主義主張は確かにと思わせるところがあった。2023/07/10

izw

4
政治や経済で、いわゆる正解のない分野の問題の議論(熟議)の仕方を示している。ネット上での熟議、といっているが、ネットをあまり強調していないので単に議論の仕方を示しているように見える。 2.3一般意志2.0は、東浩紀「一般意志2.0---ルソー、フロイト、グーグル」の批判。方向性は評価しつつも、議論が甘いとの批判は面白い。是非一読を勧める。2015/03/09

えむa

4
公共哲学の三つの潮流について解りやすく説かれていて興味深かった。練習問題もなかなか読み応えアリ。一見SFみたいな集合知民主主義だが、可能性は感じる。正義基準として提示されたU-LUCモデルだが、三つの正義基準のええとこどりははたして可能か?実現にはネット熟議を統括できる力量のあるリーダーの養成がまず必要かも。2014/11/19

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