角川選書
国宝神護寺三像とは何か

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  • サイズ B6判/ページ数 368p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047035096
  • NDC分類 721.024
  • Cコード C0321

出版社内容情報

その肖像の「大きさ」こそが史実解明の鍵だった! 究極の歴史推理を読む。

伝源頼朝像(足利直義像)・伝平重盛像(足利尊氏像)・伝藤原光能像(足利義詮像)の3像は、なぜこの大きさにつくられ、神護寺に蔵されてきたのか。肖像画からの驚くべき歴史推理で構築される南北朝内乱期の歴史像。

内容説明

伝源頼朝・伝平重盛・伝藤原光能像は、足利直義・同尊氏・同義詮像だった。では、神護寺三像は、いつ、なんのためにつくられたのか。三像の「大きさ」に着目した著者は、絵絹や肖像の大きさを比較し、面貌の肖似性を確かめ、ついに夢窓疎石と直義の『夢中問答集』の記述に到達。三像が「互の御影」になぞらえて対の肖像としてつくられ、神護寺に安置されたことを論証する。三像の数奇な運命から南北朝内乱期の歴史を描き出す。

目次

第1章 戦前の神護寺三像論
第2章 戦後の神護寺三像論と米倉迪夫の新説
第3章 江戸初期の神護寺復興と「頼朝御影」
第4章 広幅の絵絹は物語る―神護寺三像の「大きさ」(一)
第5章 比類なき「大きさ」の俗人肖像画―神護寺三像の「大きさ」(二)
第6章 神護寺三像の分析・読解と「肖似性」
第7章 「足利直義願文」は何を物語るのか
第8章 足利直義と夢窓疎石―『夢中問答集』
第9章 神護寺に安置された“対”の肖像画
第10章 観応の擾乱と神護寺三像の運命

著者等紹介

黒田日出男[クロダヒデオ]
1943年生まれ。東京大学名誉教授。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。東京大学史料編纂所教授・所長などを経て、立正大学教授・群馬県立歴史博物館館長。文学博士。専門は、絵画史料論・歴史図像学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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イリエ

15
山田五郎さんの動画をみて興味を持ちました。これは、もうミステリーを読む楽しさですね。個人的に太平記も大好きなので、観応の擾乱手前といわれると、グッときます。たしかに母の存在は大きかったかもしれません。反論もあるのでしょうが、私はこの説がお気に入りです。2024/03/09

umeko

11
確かに神護寺三像を展覧会で見たときは、その大きさに驚いた記憶が。とても興味深く、納得させられる内容だった。まだまだ謎を残すこれら三像。興味が尽きない。2017/06/17

MUNEKAZ

3
神護寺三像について米倉迪夫説を支持しながら、政治史の面から読み解きを行っている一冊。長い引用に饒舌な語り口と癖のある文章だが、史料に基づいて通説を批判するという歴史学の営みの面白さが味わえる好著。まぁでも頼朝説の客観的な証拠が寺伝しかないと批判するなら、直義説も直義の願文しかないわけで、それを膨大な状況証拠で補強していく過程を読むと、歴史学は呉座先生が言うところの「確からしさ」を競う学問であることがよくわかる。2018/03/18

Wataru Hoshii

2
「アレ」は頼朝像ではない、という説はもうだいぶ知られるようになったと思うが、この本はトドメの1冊。ここまで緻密に論証されると、もはやこれは「説」ではなくて「事実」だろうと思えてくる。いつもながら黒田さんの推理は知的興奮に満ちていて、ぐいぐいひきつけられ、一気に読んでしまう。この論証によって「アレ」の価値が低くなるかというと、全くそんなことはなくて、むしろ神護寺三像に秘められた切ない人間ドラマが解き明かされていく。一度だけ実物を拝観したことがあるが、また再び拝観したくなった。2013/03/08

MrO

1
とは言え、あの肖像画が頼朝のものであると伝えられなかったら、日本人であれば誰もが知っているということにはならなかっただろう。こんだけ有名なものでありながら、実は足利直義という、日本史に詳しくなければ普通知ってない人のもので、その背景には、南北朝の動乱につながる兄弟の物語があった。上質のミステリーを読む楽しさが味わえる。ところで、教科書はどうなってるんだろ。2015/08/25

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