内容説明
徳川幕政を文治主義へと導き、為政者の鑑として語り継がれた会津藩祖・保科正之。四代将軍家綱の輔弼役として、ひたむきに万民の便利安居を求めた名君ながら、その姿はいまだ歴史の陰に埋もれている。明暦の大火や玉川上水の開削問題に見せた抜群の指導力、会津藩内に実現させた社倉、老養扶持、救急医療の先見的な福祉制度、そして加賀や米沢ほか諸藩にも及んだ救済措置―。名君の足跡を辿り、清冽な生涯を現代に蘇らせる。
目次
第1章 将軍家の御落胤
第2章 高遠・山形藩の藩政
第3章 会津入りと「託孤の遺命」
第4章 将軍輔弼役としての行動
第5章 諸藩の救済と指導
第6章 会津藩政に見る先見性
第7章 加賀百万石への影響力
第8章 思索の背景を探る
著者等紹介
中村彰彦[ナカムラアキヒコ]
1949年、栃木県栃木市生まれ。小説家。東北大学文学部卒業後、文藝春秋勤務を経て執筆活動に入る。『明治新選組』で第一〇回エンタテインメント小説大賞、『五左衛門坂の敵討』で第一回中山義秀文学賞、『二つの山河』で第一一一回直木賞、『落花は枝に還らずとも』で第二四回新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぼのまり
4
徳川幕政を文治主義へと導き、為政者の鑑として語り継がれる会津藩祖保科正之の本。玉川上水の開削問題など大規模事業への指導力だけでなく、当時の発想としては先見的な 社倉、老養扶持、救急医療の先見的な福祉制度などの採用など、その足跡を辿ることができる。人物形成の過程などは同著者の他の本もあたってみたほうがいいように思う。 2013/07/16
はる
2
『名君の碑』のヴォリュームにおされ? こちらを先に読んでみました。 ノンフィクションに分類されますが、いかにせん 昔のことなのでリアリティはうすいようにも・・ ・逆に小説のほうが割り切って楽しめるのかもしれません。 ともあれ大きな出来事との関わりや時間的な流れを確認できてよかったです。 時間を作って『名君の碑』にトライしたいと思います。(^_^)2011/09/10
Ryuji
1
★★★
iregyura-
0
物語ではなく考察本だったので私には難しかったですが、保科正之公がいかに名君だったかはよくわかりましたし、他の本も読みたくなりました。2013/02/26
黒とかげ
0
うーん。全体的に主人公の人間味がないと感じた。事績を淡々と書かれているだけは……。古文が現代訳されていないのもきつい。歴史に精通した人向けの本か。2022/03/04