内容説明
一生に一度は四国遍路をしてみたい―。なぜ、四国遍路に惹かれるのであろうか。そこには、弘法大師によつて罪を許され、再生を願う巡礼の思想があった。青年空海も修行したという古い歴史を持つ札所は、熊野修験や遊行念仏者によってネットワーク化されていき、江戸時代に案内書や宿泊施設など、人々が自由に遍路できる素地が築かれていった。近現代のバスツアーの巡礼の多様化にも言及し、四国遍路の実態を追う。日本人の祈りの歴史が見えてきた。
目次
第1章 二十世紀末に整えられた四国遍路システム
第2章 四国遍路の起源を探る
第3章 熊野信仰ネットワークと四国霊場
第4章 四国八十八か所の成立前夜
第5章 四国八十八か所の確立
第6章 充実的に発展する札所霊場
第7章 近世から近代にかけての四国遍路の光と影
第8章 四国遍路の現在、そして未来
著者等紹介
頼富本宏[ヨリトミモトヒロ]
1945年香川県生まれ。京都大学大学院文学研究科(仏教学)博士課程修了。文学博士。密教学専攻。現在、種智院大学学長。実相寺(神戸市)住職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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