角川選書<br> 御曹司たちの王朝時代

電子版価格
¥1,496
  • 電書あり

角川選書
御曹司たちの王朝時代

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 329p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047034471
  • NDC分類 816.6
  • Cコード C0321

内容説明

光源氏の友人たちも、こんな感じに生きていたのだろうか。王朝時代に実在した名門貴族家の御曹司たちが関わった24通の手紙からは、宮中の職務をさぼったいいわけ、関白邸での待ち合わせの約束、遊興への参加の強要、仲間外れへの恐怖など、華麗な王朝イメージとは違った人間くさい暮らしぶりがかいまみられる。優雅な人柄と思われがちな御曹司たちの実像を描き出した試み。

目次

遊ぶ暇もない頭中将
友人の色好みをたしなめる
近衛中将を拝命したことへの不満を洩らす
口利きの依頼をあしらう
和歌の代作を依頼する
昇任の喜びを伝える
子供が生まれたことを披露する
仲間外れにしないように頼み込む
遊興への参加を強要する
絵師の斡旋を依頼する
野遊びに誘われなかったことを恨む
宮中の行事をさぼった言い訳をする
牛車を牽く牛の貸し出しを依頼する
関白邸で落ち合うことを約束する
遊興の約束を守れそうにないことを謝る
護衛の武者の貸し出しを依頼する
遊女と楽しむための遠出に誘う
舞姫をめぐる噂の真偽を確かめる
親交を持ち続けてくれるように懇願する
任官をめぐる口利きを依頼する
奉公への熱意を語る頭中将

著者等紹介

繁田信一[シゲタシンイチ]
1968年生まれ。神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程修了。現在、神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、同大学大学院非常勤講師。博士(歴史民俗資料学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紫暗

4
著者特有の少々大仰な言い回しはあるものの、当時の貴族達が書いた手紙がそのまま引用されており、文学の中にいるキャラクターではない、実際の貴族の姿が垣間見えました。2010/01/31

mimm

3
平安貴族の漢文書簡を読み下し、更に現代文に訳して解説。物語の登場人物とはまた違い、現実的で人間くさい貴族の姿が見えてとても面白かった。ぜひ他の著書も読んでみたい。2011/02/13

ことらいおん

3
平安貴族たちは手紙の中で必ず謙遜するのに、肝心の内容は「仲間外れにしないで〜」「あなたの和歌を使わせて!」「昇進したいの!」と人間臭くて面白い。やっぱり物語と現実じゃギャップがあって、アイドルみたいな貴族は少ないのだなぁと。ときめいた手紙が2通あった。端午節の薬玉のお礼の和歌を添削してほしい権左中弁の手紙と終章の新しく頭中将になった若者のやる気のみなぎった清々しい手紙。こんな素敵な手紙を貰ってみたい(笑)2011/01/20

いせん

2
図書館。著者つながりの3冊目。今回は藤原明衡が編纂した200通以上の書簡を集めた『雲集消息』について。現代文、解説、原文、読み下し文の流れで様々な場面で出された書簡が紹介されている。物の貸し出しを依頼する手紙や、人間関係の悩みなど、時代こそ変わっても人が集団で生きていくと生じる悩みというのは変わらないものだなぁと思った。和歌の代作を頼む手紙と扇の調達のために絵師の紹介を依頼する手紙は興味深かった。才能ある人、ない人の悲喜こもごも。その後が気になります。2014/06/30

kinaba

2
☆ 『かぐや姫の結婚』が良かったので著者買い。これまた面白かった。今回は『雲州消息』…これは王朝時代の書簡例文集みたいな位置づけの資料なのかな、この文献一つに絞って、手軽に興味深く思えるところをじっくりと抜粋して見せてくれるの、こういうのこそプロの仕事だと思う。よくある、何百もの資料から切って貼って寄せ集めて歴史の真実はこれだ~とかいうのではなくて、ですね。当時の貴族のいろいろな生活の側面が垣間見えて楽しい。2014/01/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/489786
  • ご注意事項