内容説明
寺社をめぐり、島に渡り、山を仰ぎ見る。乗り物に運ばれるのではなく、自分の足で歩く旅がしたい。敬虔な気持ちでまわりをよく見て、こまかいことに気をつけ、土地の人の言葉に耳をすます。伊勢神宮、宗谷岬、気比の松原、こんぴらさんの石段、那智の滝、隠岐の島、四国の遍路道、桜島、富士山―。デイパック一つを背中に日本各地を足まめに歩いた著者が、あるべき風景の原点に触れ、歩く旅の魅力をあますところなく綴った、滋味あふれるエッセイ。
目次
第1章 水の記憶(水の記憶;誕生記―神社(三重県伊勢) ほか)
第2章 穴の記憶(穴の記憶;鎮守府開庁―坂(広島県呉) ほか)
第3章 島の記憶(島の記憶;幻の獣―滝(三重県那智) ほか)
第4章 像の記憶(像の記憶;お経と号令―寺町(香川県善通寺) ほか)
著者等紹介
池内紀[イケウチオサム]
1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト。著書に『海山のあいだ』(講談社エッセイ賞・角川文庫)、『ゲーテさんこんばんは』(桑原武夫学芸賞・集英社文庫)、訳書にゲーテ『ファウスト』(毎日出版文化賞・集英社文庫)、『カフカ小説全集』(全六巻、日本翻訳文化賞・白水社)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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