角川選書
杉田久女―美と格調の俳人

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047034358
  • NDC分類 911.36
  • Cコード C0395

内容説明

「谺して山ほととぎすほしいまゝ 久女」。栄光と挫折のなかで、俳句に命をかけた悲劇の天才俳人・杉田久女。その久女と親交のあった山口青邨を師とする著者が、謎と伝説につつまれた生涯に迫り、燦然たる文学世界をみごとに蘇らせる。狂気、悪妻と烙印されながら、女性俳句の不滅の金字塔をうちたてた久女の軌跡を描く力作評伝。俳人協会評論賞受賞。

目次

1 大正時代
2 昭和六年まで
3 主宰誌「花衣」
4 昭和八年から十年まで
5 句集出版の難航
6 同人削除以後
7 「国子の手紙」再考
8 久女の没後

著者等紹介

坂本宮尾[サカモトミヤオ]
1945年、大連生まれ。71年、東京都立大学大学院修了。山口青邨に師事。76年「夏草」新人賞受賞。2004年『杉田久女』(富士見書房)で俳人協会評論賞を受賞。「天為」同人。東洋大学文学部教授(現代英米演劇専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saksak

0
評伝と句鑑賞の均整がとれた佳品。師虚子との絶望的な齟齬はいたたまれないけれど、偏狭ならざる公正な書き方がこの 相性 の悲劇を興味深いジェンダー論にしている。著者も指摘する通り久女みたいなひとは割と珍しくなかったりする。一句一句の解説がまた良く、作句の背景や文法を介して句の描く絵が見えるように導いてくれる。自然の機微にかなり不感症な私のようなものには大助かり。久女の俳句はゆるぎない、ブリリアントな世界。2010/02/22

石橋

0
精神病のレッテルを貼られ、それがゆえに伝説化された杉田久女。じっくり作品を味わってみると作者の言う通り、その俳句にかける退っ引きならない情熱、気高い知性が感じられる。その気高さがあるからこそ、対人関係における不安定さ・両価性がさらに際だつ印象。精神性ではないと思うが、ボーダーライン性はあったのではないか。虚子に対する行動は見捨てられ不安やall or noneな考え方、序文を書いてくれなければ他の流派に鞍替えしても良いなどという操作性。2009/09/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/238133
  • ご注意事項