内容説明
消滅した地名に秘められた歴史。新しくできた地名への人々の想い。地名改変が進むなか、社会の変化に伴い地名はどう変容してきたのか。「生き物」でありながら「無形文化財」として、過去と現在を結ぶ糸として人々の生活とともにある地名。そのでき方、つくられ方と魅力に迫る。
目次
第1章 地名はどのように誕生したか
第2章 地名の現場を訪ねて
第3章 地名の階層
第4章 市町村名の由来
第5章 駅名を分析する
第6章 地名崩壊の時代を迎えて
著者等紹介
今尾恵介[イマオケイスケ]
1959年横浜市生まれ。明治大学文学部独文専攻中退。管楽器専門誌「パイパーズ」編集部を経て91年より地名・地図・鉄道に関する執筆活動を開始。現在(財)日本地図センター客員研究員、日本国際地図学会評議員、関東学院大学非常勤講師。読売新聞夕刊にて「地図を歩く」を連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ぷるぷる
3
地形や人の営みによる付けられる地名、駅名はやはり興味深いです。如何に住民に愛着があっても数十年に一度は変えられてしまう無常の世界なのも分かりました。歴史的な地名の消失問題を最後に触れていますが、社会や制度の管理、維持という観点では致し方ない面もあるとは思いました。今の時代ならデータ処理技術で解決も可能なようにも見受けられます。日本の官僚じゃ難しいかもしれませんけど。ただ多様性が叫ばれる現在ではそろそろ潮目も変わりそうな気もします。それと人間は幸せになるために進化したわけではないという言葉を思い出しました。2022/08/07
Hiroki Nishizumi
3
赤羽、半家、四日市など馴染みやすいところから始めて地名のウンチクを語る。指摘通りバス停には古い地名がたくさん残っているね。また新地名にセンスないところが多いことを再認識。2015/02/09
金監禾重
1
地名の由来、分類、歴史、平成の大合併による創作地名批判、行政による地名の抹殺や消えかけている地名探しなど、ごった煮だが相変わらず面白い。私が住んでいる地域でも住所表記が施行されて古い町名や村名を意識する機会が少なくなっていて、住民も郷土への愛着を持ちにくくなっていることを実感する。「中央」ではなかなか「私の町」意識が育たないのではないか。この本には住民によって地名が維持されたり、行政によって地名が復活した事例も記されている。全国的に地名を大事にする流れが起きると好ましい。2018/01/14
kiriya shinichiro
1
おもしろさからいうと、『地名は災害を警告する』の方が、圧倒的に上。もうちょっと掘り下げて欲しいところがたくさんある。ただし、雑学的な意味ではこの本もすごく興味深い。津久井郡が相模原と合併してたなんて知らなかったよ! あわせて読むといいかもね。2015/06/06
かめかめ
1
この今尾恵介さんの本は、私好きです。 楽天ブックスで「今尾恵介」で検索すると27冊ヒットしますが、 20冊以上読んでいます。自慢にもならないですが・・・・・ 地名と言うのはおもしろいですね。 地名は生きています。 もちろん跡形もなく、亡くなってしまうものもあるわけなんです。 新しい地名が誕生することもあります。 本当に、地名は生き物なんです。 そんな話しが実例をあげて、満載されています。 かめかめブログにちなんで、亀屋町の項目を取り上げてみましょう。 ————————————————— 【亀屋町】こ2008/06/16