角川選書
色男の研究

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  • サイズ B6判/ページ数 291p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784047034068
  • NDC分類 910.25
  • Cコード C0339

内容説明

近代以降、私たちは粋な「色男」の遊び方、生き方を、あらかた忘れてしまっている。そして、代わりに「恋愛」を覚えた。この「恋愛」はだれにでもできる。何の技量がなくてもできる。民主的だが、ひとりよがりのものでもある。人に分かってもらえなくてもいい、そんな意識が「恋愛」の基本だ。こんな「恋愛」を卒業するために「色男」の技をちょっと思い出すのも悪くはない。この本で模索しているのは、そのための手がかりである。

目次

第1章 色男とは何者か
第2章 恋の「マニュアル」―オウィディウスから「ポパイ」まで
第3章 色男の淵源としての色好み
第4章 明治・大正の色男
第5章 ダンディズムと色男
第6章 女たらしという職業―ヒモとジゴロ
第7章 媚薬・誘惑・虚偽
第8章 にせ色男
第9章 悪い男の魅力
第10章 女たちの復讐―取り憑かれる男たち
第11章 色男の行方―恋愛・ディスコミュニケーション・オタク

著者等紹介

ヨコタ村上孝之[ヨコタムラカミタカユキ]
1959年生まれ。大阪大学大学院言語文化研究科助教授。東京大学総合文化研究科比較文学比較文化専攻修士単位取得満期退学。プリンストン大学比較文学科修士修了(Ph.D.)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zikisuzuki

1
江戸期の男女の色恋を粋である事が良しとする価値観に明治期に愛という価値観を輸入してダンディズムが混じり、今は独りよがりな愛の形をそれぞれが大切にする時代になったそうで。しかし、文化にテキストは付き物で文学がその役割を担っているとしても、色男が何かはタイトル程には伝わってこなかった。 在原業平の優勝でいいんじゃない?2017/01/28

ybhkr

1
うーん、もったいない。これだけの文献を使ってこれだけの考察をしているのにいまいち伝わらない。同意できる部分もあるんだけど、ところどころに見えるダブルスタンダードにイラッとする。また古い文献を鵜呑みにして現在に置き換えている部分もあり、2006年発行としては少々ズレを感じる。女性嫌悪と嫉妬のくだりは納得。嫉妬で犯罪起こす率は男性のほうが高いのにいまだに女性が嫉妬深いとは解せぬ。男らしさ女らしさについても甘いなあ……。2013/09/16

すがし

1
非常にもったいない労作と感じた。内容は極めて興味深く、数多くの資料を渉猟して十分以上に高度だが、文章が下手で、作者の立場が極めて読み取りにくく、ところによってはまるで矛盾したことを主張しているように読めることが多々ある。しかし、そうした読みにくさに耐えて終盤に辿り着けば、驚くべき知的興奮が待っている。読書力にある程度自信があり、かつ現代の恋愛至上主義に違和感を持っている人なら一読をお薦めする。2010/12/22

はにゃん

1
☆☆江戸期から明治の概念の変換はよくわかる。西洋との比較がもうひとつ明確になっていないのが残念。多分、全体バランスとして訴求したいことが多すぎたので、少し支視点がぼやけたのではなかろうか。2010/01/04

ちあきほ

0
ドン・ファンがわからず、はてどのような人か、ワンマン的な感じ?と入り口から躓く。しかし色男というと業平や光源氏が挙がる程度には知っている。その差からか、少し読みづらい印象。ドン・ファンは文面だけなら最低じゃない?という…読み取るべきはそこでは無い。粋などは、成る程と思ったが。2013/08/31

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