内容説明
日本最古にして最大の勅願寺「大官大寺」は、『日本書紀』などの文献に登場するだけで、実態は謎に満ちていた。ところが、近年の大規模な発掘調査で発見された九重塔跡や百済大寺は、大官大寺の実像を伝え、それまでの飛鳥の都市景観を覆すことになった。長年、飛鳥の発掘に携わってきた著者が、文献資料とともに、国家的な仏教政策の先駆けとなった大事業、飛鳥京の都市計画を読みとき、その全貌にせまる。
目次
序章 謎の大寺・百済大寺を発見
第1章 百済大寺から高市大寺へ、そして大官大寺へ
第2章 大官大寺・百済大寺の研究の歩み
第3章 発掘が明らかにした大官大寺の実像
第4章 舒明天皇の百済大寺と天武天皇建立の大官大寺
第5章 百済大寺跡の探索
第6章 発掘が明らかにした吉備池廃寺の実像
第7章 吉備池廃寺の寺名
第8章 高市大寺はどこにあったのか?
第9章 飛鳥の都と百済大寺の発見
著者等紹介
木下正史[キノシタマサシ]
1941(昭和16)年、東京生まれ。64年、東京教育大学文学部卒業。69年、同大学大学院修了。奈良国立文化財研究所にて、70年から90年まで飛鳥藤原地域の発掘調査に携わる。東京学芸大学文化財学科教授
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