出版社内容情報
茶道の様式にキリスト教文化の影響が色濃く残されていると説く。従来から、キリスト教と茶道とのかかわりについては、さまざまなことがいわれてきた。利休キリシタン説や利休の娘キリシタン説などもある。利休はともかく、利休の高弟たちの中に、高山右近をはじめとするキリシタンが多数いたことはまぎれもない史実である.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』105頁、より)
内容説明
茶道の様式に見られるキリスト教の影響については、これまでも断片的に指摘されてきた。本書は、キリシタン大名と茶の湯の関わりあいから、茶道の作法―茶器、茶室とその思想―とミサの儀式にいたるまでをつぶさに検証する。新しい観点から、茶道のもつキリスト教的な側面に光をあて、比較文化論・美学の立場から、その実体を解明する。
目次
第1章 キリスト教宣教師と茶の湯
第2章 利休とその家族―隠されたロザリオ
第3章 利休の弟子と友人
第4章 緑のミサと赤いミサ―東西の崇拝儀式
第5章 聖碗崇拝―陶器と銀器
第6章 建築された抒情詩と凍れる音楽