角川選書<br> 明治の東京生活―女性の書いた明治の日記

角川選書
明治の東京生活―女性の書いた明治の日記

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  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 19X13cm
  • 商品コード 9784047032170
  • NDC分類 213.6
  • Cコード C0339

内容説明

本書は、明治に生きた一サラリーマンの妻の、日常生活をこまめに記した日記である。淡々とつづったその中に、都市中流階級者の日々が詳細に描かれ、一級の庶民生活資料となっている。

目次

古い柳行李
女性の書いた明治の日記

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きゅー

8
明治期のサラリーマン家庭の主婦小林信子が明治31年から翌年に書いた日記と、それに対する息子重喜の注釈という2つの枠により、当時の風俗が闊達に伝わってくる良書。特に、現在90歳の重喜による注釈は、たんに当時の状況を詳らかにするだけではなく、日記に書かれなかった小林家の様子を補足し、当時の生活を重層的に蘇らせている。解説にもあるように、当時の小林家は近代的な「家族制」だが、重喜のコメントは現代的な「家庭生活」に基づいている。日記が書かれた当時からすでに90年が経ち、日本の100年が縮図となって表れている。2021/12/08

勝浩1958

8
市井の人々の生活の様子が垣間見れるのと表題を見て読んでみたのだけれど、この日記に書かれている生活はかなりの上流社会に暮らす家庭のものであった。 それにしても大倉組の臨時ボーナスの支給は破格である。なんと月給の10か月分。これだけ貰えれば女中さんを3人も雇えるはずである。中元・歳暮も数多く配られていた。明治の上流階級の生活の一端が分かりました。2014/09/22

印度 洋一郎

5
明治後期(19世紀末)の東京、一流商社に勤める士族出身のサラリーマンの妻がつけた約一年間の日記を、その息子が公開。当時の東京の上層サラリーマン家庭の日常と、明治末期の東京都心の様子がわかる貴重な記録だ。照明が貧弱なので日の長い季節には早朝(朝5時)に起きて、掃除したり入浴(洗湯=銭湯で)したりする。車が無いので運転手付人力車で通勤や買い物に出かける。電話が無いので、連絡は専ら車夫への言付け。子供には、「ポンチ絵」と呼ばれた漫画が既に読まれている。幼くして母を亡くした著者の、母への思慕が行間から滲んでいた。2011/12/03

kuukazoo

1
日清戦争後日露戦争前あたりの頃、東京・赤坂に住むエリートサラリーマンの妻・小林信子さん(25歳)の日記を、後に息子が編纂、解説を加えたもの。ごく簡素だが、出産前後を除きほぼ毎日、生活の細々したことが書き留められている。人の出入りやお金のやりとり、買い物、頂き物、遣い物などがとにかく多い。そこそこ裕福だけどあらゆる方面に気遣いせねばで大変そうだなぁと思った。臨月なのに引っ越しが決まったり法事があったりで「がんばれ信子さん!」という感じで読んでました。2013/06/26

LS

0
若くして亡くなった筆者の母親の日記に、筆者自身が註釈を加えて発表した作品。明治30年代に書かれたものであり、夫のことを「旦那様」と記すなど、封建的な表現が随所に見られる。 長いこと保管されていながら、「がらくただよ」と父親に教えられていた古い柳行李の中に、この母親の日記とともに彼女の遺品が入っていたというエピソードが冒頭にあり、父親の朴訥な愛情が感じられた。2013/07/09

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