内容説明
歴史千年、洗練と文化のふかさにおいて京都は、その存在を世界に誇りうる、日本の「みやこ」である。この魅力に満ちた都市について、三十余年にわたって書きつがれたエッセイを新たに編成、書き下ろしを加えて構成する。きっすいの京都人にして、民族学・比較文明論の第一人者という、望みうる最高の筆者によって成った。
目次
1 京都案内
2 京都の性格
3 京都の市民
4 京ことば
5 京都点描(映画祭と羅城門;書評 菊池寛『無名作家の日記』;比叡山;大遠忌;さようなら、五代の電車;大学と花売り;書評 北白川小学校編『北白川こども風土記』)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
としちゃん
19
京都出身の民族学者、梅棹忠夫氏がいろいろなところで京都について書かれたものを1987年に一冊にまとめたもの。2004年に新たに文庫になっています。京都を語るには膨大な歴史の知識が必要ですが、とても平坦な言葉で深いことを面白く書かれているのはさすが。確かに古くなっている部分はあるけれど、京都人の比叡山好きとか、京都市内を走っていた市電の話は、懐かしく読みました。中でも圧巻は京都言葉に関する考察。京ことばの活用法、語尾変化、大阪言葉との比較など、ここだけでも読む価値ありです。2016/06/21
ひかりパパ
6
京都の言葉に関心がありこの本を読みました。大阪の言葉と京都の言葉は違うのですがどこがどういう風に違うかがこの本を読んで納得しました。梅棹さんは大阪の船場は京都出身者が多いので船場の言葉は京都の言葉に近いと述べてます。しかし司馬遼太郎は船場は近江出身が多いから近江の言葉に近いと言ってます。また近江は浄土真宗の門徒が多いので絶対他力の教義ゆえ「お陰様で」と「何々させていだきます」といった使い方がされるのだと述べています。関西弁といっても地域によって微妙に違います。2016/07/19
夢仙人
0
京都に行くついでに国立民俗学博物館初代館長の当本を読む。京都案内のつもりで読み始めたが、名所旧跡の案内はほんのちょぴりで、後は京ことばを始めとした京都学ともいうべき話が中心であった。勉強になりました!2010/01/18
JFK
0
井上章一京都ぎらいの原型2020/05/01