目次
植物の受精(はじめに;ヒルガオ科;ゴマノハグサ科・イワタバコ科・シソ科など;アブラナ科、ケシ科、モクセイソウ科など;フウロソウ科、マメ科、アカバナ科など;ナス科、サクラソウ科、タデ科など;交配・自家受精植物の草丈と重さに関する要約;体質的な成長力やその他の点での交配植物と自家受精植物の違い;種子生産に対する他家受精と自家受精の効果;受精の方法;花の受精に関連した昆虫の習慣;一般的な結論)
解説(『植物の受精』―五つの研究分野を育んだ著作の先見性と限界)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
3
晩年、メンデルの遺伝研究に関する書物を2冊所持したという著者は、それに言及することなく、被子植物の個体に同じ個体の花粉を受粉させても受精しないことを実験と観察から発見した。この自家不和合性なる性質から他家和合性を導出し、植物が繁殖して様々な環境で育つ理由を仮説した著者は、自家不和合性による効果として現在の状況を説明することができた。一方、なぜそれが起こるのかという問いは残される。これは時代の問題もあるが、現象の説明を旨とし、因果関係の精査を他の論理に託す仮説(=アブダクション)の性質にも拠るように思える。2017/09/15