内容説明
現行の文化財保護法で国宝二点、重文十九点、旧国宝としては11点もの指定を受けた仁清の色絵陶器。江戸初期の寛永文化期には王朝風の「雅」なやきものとして武家社会に支持され、その後、忘れ去られていた仁清陶が、近代に国宝となって復活したのはなぜか?「京焼の祖」をはじめ、さまざまな顔をもつ「謎」の陶工仁清の実像に迫り、その色絵陶器が各時代に受容されてきたプロセスを、御室焼と茶匠金森宗和、旧国宝の大半を所持した丸亀京極家、大正期の数寄道具などの諸点から探るとともに、そこに投影された時代と社会文化を描く。
目次
第1章 近代化のなかの国宝仁清
第2章 つくられた仁清像
第3章 遅れてきた京焼、御宝焼
第4章 金森宗和と仁清
第5章 京極家の数寄道具と仁清茶壷
第6章 色絵茶壷の実相
著者等紹介
岡佳子[オカヨシコ]
1954年、福岡県北九州市に生まれる。京都女子大学大学院文学研究科修士課程修了。日本文化史・陶磁史専攻。京都市社会教育振興財団職員、京都市歴史資料館嘱託を経て、現在、大手前大学人文科学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。




