出版社内容情報
妖精・リャナンシーとの出会いを求めて郊外の屋敷で開かれるハウス・パーティーを訪れたアルヴィンとローザ。
しかし、館でのリャナンシーとは妖精ではなく、「アヘン」の符号だった……。
貴族の子息をアヘン漬けにすることで利益を貪っていた貿易商と、
その妻でアヘン窟の女主人のシエナ。
けれど、ローザはシエナの瞳の中にかつての己と同じ絶望と孤独を感じ取り……。
アルヴィンとローザは、シエナの真意にたどり着き、危険な館から脱出することができるのか。
そして“年の逆転した兄弟”であるアルヴィンとクリフの関係性にも変化が……?
アンティークと妖精が交差するフェアリーテイル・第6巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
幸音
3
リャナンシー解決編。酔ったクリフをひょいっと抱えて運ぶ、力持ちなローザにびっくり。原作を積んでいるので、マクラミン氏の復讐通りにアルヴィンがモルヒネの入った注射を自ら打とうとするシーン、ローザ同様ハラハラした。シエナの「お客様を全員お見送りするまでは帰れません」が気高くて美しかった。夫や事実無根の醜聞で悪女と評された彼女の今後に幸あれと願う。年齢が逆転した兄弟だったけれど、兄を拒絶していた弟は歩み寄り、人の気持ちの機微を察することができない兄は言葉を口にして、溝のあったぎこちない関係から一歩進んだ。2025/05/03