MF文庫J<br> 小鳥遊ちゃんは打ち切り漫画を愛しすぎている

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MF文庫J
小鳥遊ちゃんは打ち切り漫画を愛しすぎている

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  • サイズ 文庫判/ページ数 264p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784046835406
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

俺、月見里司は高校生で漫画家志望。大人気の漫画誌、週刊コメットの漫画賞で最終選考まで残った経験もあり、今日も今日とて漫画部部室で、デビューを目指してネームを悶々と考える日々……なのだが、異様なまでに打ち切り漫画を愛好している部の後輩の小鳥遊がいつもちょっかいを出してくる。「お前……結局趣味が悪いだけじゃねえか。デスゲームやってる貧乏人を、金持ちが安全圏から見て楽しんでる感覚かよ」「ち、違いますよ! 私が求めてるのは散り際の美しさです! 土俵際の美学です! 敗者の生き様です!」「ただただ人間として面倒くさいな!」漫画同好会部室は、相も変わらず他愛のない会話で溢れている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オセロ

36
面白かったですね。 漫画家志望の高校生・夏目と彼の後輩で雑誌の巻末付近で打ち切りと戦う漫画をこよなく愛する小鳥遊(ことりゆう)ちゃんが繰り広げる談義は電子書籍やネット通販、漫画と小説の違いなど、具体的で多岐にわたって耳が痛いものばかり。そんな小鳥ちゃんが打ち切り漫画を愛する本当の理由が明らかになるラストの展開は若干面食らいましたが、たしかにこれは打ち切り漫画もその作者も愛しすぎですね(笑)2024/04/25

わたー

28
★★★★★面白かった。プロ作家による短編WEB掲載の賞レース、第二回MF文庫J evoにてPV数1位となったことで長編化された作品。華々しく連載スタートしたものの人気が振るわず掲載順が下がり、それでもなんとかテコ入れして頑張った結果、数巻出して打ち切られるような作品をこよなく愛する小鳥遊(ことりゆう)ちゃんと、漫画の連載を目指してネームを練っている主人公とが、打ち切り漫画を中心にした漫画業界、出版業界についてただただ駄弁るだけの部活モノ。その偏執的なまでの愛と偏見にまみれた思考からくるイジリと、2024/04/25

よっち

27
漫画部部室でデビューを目指してネームを悶々と考える日々を送る漫画家志望の高校生・月見。彼と打ち切り漫画を愛好する後輩の小鳥遊の語らいを描いた青春小説。大人気漫画誌の漫画賞で最終選考まで残り担当編集がついたものの、ネームの調整に悪戦苦闘する月見と、打ち切り危機の漫画ばかり注目して熱く語る小鳥遊。漫画アプリで読めてしまう今の漫画事情にも切り込みつつ、メジャー作品派のギャル四月や興味を持てない東海先生といった様々な視点も描きつつ、最後に思ってもみなかったもうひとつのエピソードが明らかになる展開は面白かったです。2024/04/25

真白優樹

16
漫画部の部室、連載の為のネームを只管考える少年と、打ち切り漫画をこよなく愛する後輩が只管に駄弁る物語。―――例え負けの決まった輝きでも愛さぬ理由は何処にもない。 癖の強めな創作論もある中、部室で只管駄弁るだけという今の世の中では逆に珍しい面白さのある物語であり、だからこそほっとするような面白さがある物語である。衝撃的な秘密も明かされその先、二人で今度は変えられぬ結末を変えることは出来るのか。この先の未来にどんな景色が、今度は待っているのだろうか。是非それを見てみたい。 期待を込めて次巻も楽しみである。2024/04/25

和尚

13
タイトルで気になり過ぎて買いました、こういう癖が強い系は久しぶりに読んだのですけどタイトルだけじゃなくて面白かったです。 基本的には、多産多死など様々な業界の闇と言われてる部分への揶揄や、創作論、読者視点としてのスタンスや後悔を、漫画家志望の主人公と打ち切り漫画愛好家の少女が漫才のように会話していきます。 ツッコミ役にもボケ役にも共感どころがあって個人的にとても好きでした。 終わり方も戸惑いはあったものの、何というかこの作品らしさがありましたし、お勧めできる一作だなと思います!2024/04/27

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