出版社内容情報
「実は俺、離婚しててね。今じゃ子どもにも会えないんだ」と翔に打ち明け、彼が自身のモラハラ加害と向き合うきっかけを作った上司・鳥羽。
今や”仏の鳥羽さん”と社内で慕われるその過去の顔は、厳しすぎるハラスメント上司だった。
家庭でもモラハラ・DVを繰り返し、離婚。娘には「毒親」と呼ばれ絶縁したのだった。
同じく離婚した男同士、3人でルームシェアをして和気あいあいと暮らす鳥羽の元に、元妻から娘の結婚式の知らせが舞い込む。
「たくさんの人に感謝され、昔とは変わった俺なら、娘は許してくれるのでは―」と期待を抱くが…。
一方の娘・奈月は、毒父のトラウマを抱え続け、会社での激務に追われ、結婚に前向きになれずにいた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメヲトコ
6
2024年4月刊。毒親関係の本は少なくないですが、本書は「その後」がテーマ。覆水盆に返らずで、かつての毒親が悔い改めて実際に変わったとしても、被害者に謝れば許されるのか。かつての被害者が今度は加害者となるという連鎖の問題にも踏み込むなど、多くの論点が盛り込まれた一冊です。2024/06/09
いくみ♪
5
うーん、よくあるエッセイかと思ったけどすごく良かった。最後ありがちなめでたしめでたしじゃないのも良かった。2024/06/06
セリヒロ
3
娘さんは恵まれたね。旦那さんにも同僚の皆さんにも。ハラスメントを受けても許してくれるどころか、心配までしてくれていた。そして父親にも恵まれたね。加害者をした後に変化してくれる親は殆どいない。 ただ母親が気になるね。どこかズレているのか、共感というか相手の立場に立てない人のような印象。まあ母親が主題ではないのだろうが、ハラスメントが蔓延する家庭には普遍的にいる人物だろうな。2024/06/25
ころりん
3
二人の著者、中川瑛さんと龍たま子さんに、書いてくださってありがとうと、心からお礼を言いたい。 本当に、書いてくださって、ありがとう。 僕にとっては、自分の以前の行動が、虐待だったと突きつけられる読書でもあった。 「体罰も必要」と思ってしまってた。 その自分の行動を責められて、アンガーマネジメントを教えられ、怒りの破壊的な力を知り、「懲罰的正義と修復的正義」の違い、非暴力や共感を教えられ、教えさえするようになったこの十年。 その前の記憶が、刺さる。 「赦してくれ」ではないんだ、と違う道を示してくれました。2024/04/24
さくら
3
モラハラをした加害者本人が回復をめざす、というテーマに興味を持って読んだ。 ありきたりなハッピーエンドにならず「許さなくていい。でも幸せになる」というメッセージに、許せない人がいる私もホッとした気持ちになった。2024/04/08
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- 和書
- 教養としての「税金」