出版社内容情報
全力で戦うことのできる相手がどこを探しても見当たらず、武者修行中の黒須は退屈していた。『どうか見たことも聞いたこともない難敵と巡り合わせて下さい』と、大して信じてもいない神仏に祈りを捧げるほど──。
そんなサムライは、いつの間にか異世界に迷い込んでいた。黒須は魔物に魔法、ダンジョンなど、未知の存在に心躍らせながら、己の武芸をぶつけていく。
これは、武士道を曲げずに異世界を斬り進むサムライの血気盛んな冒険譚!
内容説明
チートやスキルがなくても武芸と武士道で斬り進む!!難敵を求めて武者修行の旅に出ていた黒須は、気が付くと未知の土地に足を踏み入れていた。そこが異世界であるという発想にも至らぬまま、黒須は初めて目にする敵たちに心躍らせる―。ちょっとズレてるサムライの血気盛んな冒険譚!!第7回カクヨムWeb小説コンテスト異世界ファンタジー部門特別賞受賞作。
著者等紹介
四辻いそら[ヨツツジイソラ]
第7回カクヨムWeb小説コンテスト異世界ファンタジー部門で特別賞を受賞し、本作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こも 旧柏バカ一代
21
戦国時代を生き残り泰平の世を受け入れられない戦人が強敵を求めて旅をしていたら異世界に転移した。恩恵は斬り飛ばされた耳、骨折して変形した指、僧兵の棍で砕けた奥歯、凍傷で腐り落ちた足指、死にぞこなった敵の最後の一撃を受けて斬られた腰の大傷、短筒に撃たれた脇腹。小さい古傷はそのままだが、動きに支障のあった怪我は全て癒えており。体調は万全となっていた。そにめ少し歩いたら山の民と思われる小人と出会い、、いや、それゴブリンだから!話し掛けても無駄だから!!襲って来たので斬り捨て、ゴブリンの集落に死体を持って行き。2023/05/06
鮫島英一
20
なんちゃって侍が異世界で暴れるというコンセプトが多い中、割とまともな侍像で描かれているので好感度高め。もっともこの作品で描かれた侍像は、忠を重視した江戸時代ではなく、武を重視した鎌倉時代に近い。世界最強と謳われた元を打ち破った鎌倉武士に近い人物が主人公なのだから、まあ無双しまくる。振り回される脇役や彼に喧嘩を吹っ掛けた連中が哀れになるくらい容赦ないが、それもまたよし。相手に理があるならギリギリ妥協する理性はあるが、このギリギリ妥協のラインが主人公の価値観においてというのが、滑稽であり愛嬌がある。 2023/08/27
キナコ
19
時代物とファンタジーとのコラボ。侍が武士道をもって異世界を渡り歩いていく話。表紙買いをしたが、思っていた以上に面白かった。異世界ということに気づいていない主人公クロスが、異世界の常識を『自分が無知なのかな?』と動揺しつつも受けいれていく。異世界ものは多いが違った視点からのストーリーのため、最強主人公ものが苦手な人でも楽しめると思う。2023/08/11
niz001
5
思ったより好みやった。タイトルイメージよりがっつり『武士』やった。黒須の緩急がすごい。2023/09/09
Hisha_maru
4
表紙がなんとなく良かったので購入。中身も良作でした。血も涙もない戦闘狂のような主人公が仲間の異世界人に対しては優しいのがなんか良い。魔法やダンジョンに戦争とまだまだ掘り下げる要素がふんだんにありそうで、それを読みたいと思えた。なんとか続巻を出してもらいたい。2023/04/22