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出版社内容情報
東京にある美術大学に進学したものの、都会での生活で自らの限界を迎え「熱」を失っていた間宮宗助。大学3年の夏休みに、亡くなった親戚の葬儀のため都会から逃げるように海沿いの田舎町――七登町へと辿り着く。そこには、事故で両親を失い、天涯孤独の身となってしまった少女・九谷唯奈がいた。
「お父さんとお母さんの喫茶店はあたしが継ぐって決めてたの……あたしの夢を守ってよ、宗にぃ……!」
記憶よりも大きくなった中学生の従妹と出会い、かつて交わした約束を思い出した宗助。幼き頃の思い出が残る喫茶店で、唯奈とともにこの夏を過ごすことになり――大人と子供の恋が、今ここで動き出す。
内容説明
東京にある美術大学に進学したものの、都会での生活で自らの限界を迎え「熱」を失っていた間宮宗助。大学3年の夏休みに、亡くなった親戚の葬儀のため都会から逃げるように海沿いの田舎町―七登町へと辿り着く。そこには、事故で両親を失い、天涯孤独の身となってしまった少女・九谷唯奈がいた。「お父さんとお母さんの喫茶店はあたしが継ぐって決めてたの…あたしの夢を守ってよ、宗にぃ…!」記憶よりも大きくなった中学生の従妹と出会い、かつて交わした約束を思い出した宗助。幼き頃の思い出が残る喫茶店で、唯奈とともにこの夏を過ごすことになり―大人と子供の恋が、今ここで動き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐治駿河
37
都会生活で少しやさぐれてしまった大学生の主人公(宗助)が、親戚の葬儀のため地元に5年ぶりに地元の田舎に戻り、そこで再会した天涯孤独となった従妹の中学生(唯奈)との物語。この唯奈が昔好きだった初恋の女性(母親の弟の妻)の娘という部分が結構エモいですね。宗助も唯奈も喫茶店の経営などから互いの問題を克服しつつ距離を縮めていきます。他の登場人物たちも嫌味が少なくストレスフリーで読むことができるのでいいですね。そして最後は2度目の恋をしたと自覚した描写は刺さりましたね。これは結構な良作です。2024/12/14
オセロ
36
東京の大学とホストのバイトの日常に嫌気がさしていた間宮宗助が親戚の葬式に出席する為に田舎に帰省したところ、幼い頃ある約束を交わした中学生の従妹・久谷唯奈と再会した2人。 亡くなった両親が経営していた喫茶店を継ぎたいと願う唯奈と、そんな唯奈を助けたいと願う宗助の夏物語。 叶わぬ初恋に終わりを告げる宗助、そんな宗助に初恋を捧げた幼なじみの沙夜、そして喫茶店を継ぐ為に諦めた水泳に未練を抱える唯奈。それぞれの葛藤を乗り越える展開にはグッとくるものがありましたし、ラストのタイトル回収も完璧で、続きが楽しみです。2022/02/26
よっち
32
東京の美術大学に進学したものの、自らの限界を感じて熱を失っていた間宮宗助。大学3年の夏休み、亡くなった親戚の葬儀のため七登町へ帰った彼が、天涯孤独となった少女・九谷唯奈と再会する物語。亡くなった両親の喫茶店を継ぐと決意した中学生の従妹とのかつての約束を思い出して、夏休みの間は唯奈を手伝うことを決めた宗助。彼と喧嘩していたかつての同級生・紗夜との再会もあって、唯奈が抱える様々な葛藤はなかなか難しいものがありましたけど、そんな彼女を支えるキーマンとなる宗助とヒロインたちの今後が気になる期待の新シリーズですね。2022/02/25
ひぬ
22
事故で両親を失ってしまった従妹・唯奈と再開し、両親の喫茶店を継ぐという彼女の夢に一区切りをつかせるため、夏休みだけという期限付きでそこのお手伝いをする事になった主人公・宗助。未来に疑問を持ち、現状に憂う彼も唯奈と接する事によって次第に想いが変わり始めます。中々に良かったです。あまり見ないタイプの主人公だったのに加え、思ったよりシリアスでした。魅力的な脇役が多く、(あまり深掘りはされませんでしたが)幼馴染の沙夜が特にカッコよかったです。最終的に宗助が落ちたのは苦難の道ですが良い締めだと思いました。2022/04/28
rotti619
19
上京して大学で夢を追った結果、自分の限界が見え先輩の勧めで始めたホストの適正の良さに自己嫌悪した主人公間宮宗助が親戚の葬式で帰省した際、両親の死後も喫茶店を存続させたい従妹の九谷唯奈と再会し、「その夢を諦めさせる為に」夏の間喫茶店のお手伝いすることを決めたお話。この導入部が実に切ない。宗助を含めた全ての登場人物が未来へ向けて悩みながらも前向きに進む姿は終始物語を明るく照らしてくれた。主人公の本人が意識していない所でホストのスキルが発動して、登場する女性陣をかたっぱしから落としているのは地味に面白かった。2022/03/01