内容説明
平凡な女子高生だったわたしはある日、神様と出会った―。「モノに触れ」「食事をするな」「誰にも話すな」…“悪いこと”が起きないように、だんだんと増えていく神様との約束。でも神様の言うことさえ聞いていれば、すべてうまくいくと思っていた…。強迫性障害、摂食障害、精神科病院への強制入院、退院後の再発。これは、ひとりの女子高生が経験した、「自分のなかの神様」との凄絶な日々と、絶望からの回復の記録。
目次
神様との出会い
言うとおりにすれば悪いことは起きない
進路の不安と神様の声
神様の命令とわたしの1日
誰にも言ってはいけないこと
食べられない、食べてはいけない
仲間はずれにされたくない
摂食障害と心療内科
ボロボロになっていく体
親は泣いて土下座をした
1カロリーもとりたくない
神様、わたしはまだ大丈夫ですか?
こんな日々が続くくらいなら…
精神科病院への入院
入院生活と病院からの通学
退院が怖い
本当の地獄
消えた神様
わたしのやりたいこと
神様に出会っていなかったら
著者等紹介
もつお[モツオ]
関西出身。高校時代に強迫神経症を発症し精神科病院に入院。その過程を描いたコミックエッセイ『わたし宗教』で大学在学中にコミックエッセイプチ大賞を受賞。受賞作品を約3年間かけて描き直した『高校生のわたしが精神科病院に入り自分のなかの神様とさよならするまで』がデビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆいまある
92
高校時代に強迫性障害を発病。摂食障害を併発し、みるみる悪化して精神科病院に入院し、やがて回復するまで。症状は「神様の命令」として入ってくる。珍しいが無くはないケース。エリートコースからの離脱はハウス加賀谷を思わせる。最後は「勉強じゃなくて絵が好き」であることに気づき、美大に進学して自分らしい生き方を見つける。多分お姉さんは勉強ができる人で、この人ずっと劣等感に苛まれてたんじゃないかなあ。丁寧にここまで描き切るのは大変だったろう。著者さん、よく頑張った。Kindle Unlimited2024/03/31
あっか
65
新刊。自分の中の神様?どういうこと?と不思議に思い読了。周囲の目を気にし過ぎるごく普通の女子高生だった著者さんがある日、頭の中から声が聴こえるように。それが強迫性障害の症状だと気付かずに、拒食症、精神科病院への入院、退院後の過食症という過酷な女子高生時代を経て、自分の好きなこと、本当の自分を取り戻すエッセイでした。周囲から見たら異常だと分かることも本人にとっては何らおかしくない…というところになるほどと思ったし恐いなとドキドキした。ご家族も、助けたくてもできなくてつらかっただろうな。最後は本当良かった!2021/01/25
キク
64
平凡な女子高生が、自分のなかの「モノに触れ」「食事をするな」という声を「これは神様からの指示なんだ!」と『気付く』。「神様の指示」に従わなければ悪いことが起こると信じ、精神病院への強制入院まで行ってしまう。そこからの回復までを本人が語っているけど、壮絶だった。「自分は神の子だ」と語ったり、「自分は神の言葉を預かった」と語ったり、「自分は真理に到達した」と語った三大宗教の開祖たちと、この女子高生の聞いた声の違いってなんだろう。あの3人とこの女子高生の間にどこかに、僕たちは全員立っているだけなのかもしれない。2023/12/24
ホッパー
53
エッセイ漫画。摂食障害と強迫性障害の恐ろしさが怖すぎて一気読みしてしまう。世の中に同じように苦しんでいる人が沢山いるのだと思うと、辛い。2024/08/26
ネギっ子gen
53
神様の言うことを聞いていれば、すべて上手くいくはずだった。強迫性障害、摂食障害、強制入院――。高校生の私を苦しめたのは、自分の中の「神様」。物を触らずにはいられない、自分の体型が気になって食事ができない、同級生の視線が気になって学校へ行けない――。「こんな日々が続くくらいなら、死んでしまいたい」と思うまで追い詰められた、ひとりの女子高生が経験した、凄絶な日々。神様の存在は誰にも言ってこなかったが、誰にも言えず苦しんでいる人がいて、<もしかしたら、私の経験が何かの役にたつかも>と、コミックエッセイに――。⇒2021/08/08