角川フォレスタ
オー・ヘンリー傑作選 - 大平原と大都会の物語 初訳新訳

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784046537584
  • Cコード C0097

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サム・ミイラ

96
米国稀代の文豪オー・ヘンリー。賢者の贈り物と最後の一葉が有名でそれしか読んだことがなかったがこの本を読んで改めてこの作者の力を実感する。この短編集は実に様々な形式がある。人生の機微に触れるのはもちろん皮肉溢れるユーモア、まるで落語のようなオチや言葉遊びで仕上げた作品。そしてミステリと言うべきものもいくつも含まれている。驚くのは「グーチ弁護士の仮説」見事なミスデレクションに再読必至、凄い。「サン・ロザリオでの友情」はまるで半沢直樹だし「ローストの実とワインの瓶」人の心のありように深く頷く。これは読むべきだ。2018/03/18

キムチ

56
「最後の一葉」でしか知らなかった筆者。テキサスものとニューヨークものと ほぼ2分される作品群。当本も、そこを巧く折り合わせ、新訳で17編を収録。あとがきでは言葉遣いは謙りつつも「群馬英米文学談話会」の艱難辛苦を感じたのはちょっと掘り出しもの。若くしての逝去を知りつつも生まれが南北戦争の最中と知り驚愕。300余編もの短編を書いた真の巧手。題材はもとより、タイトルにも拘りがあるのは楽しい。甲乙つけ難いが「ウィスキーの携帯瓶」の真面目ぶりと慌てぶりにクスッとした。お気に入りは「最後の吟遊詩人」映画の一コマみたい2023/06/20

まーちゃん

40
知っているようで実は「賢者の贈り物」「最後の一葉」しか知らなかったO.ヘンリー。ジョージさん企画のイベントのおかげで一冊通して読むことができました。これは本邦初訳14編と新訳3編からなる短編集で、舞台が主にテキサスの物語とニューヨークの物語が収められている。訳者が作品ごとに異なるせいもあろうが、どちらも微笑ましいながら、テンポ良く、著者の滑稽味ある合いの手が多く入る後年の作品群の方が好みかな。でも今目次を見返すと、人間捨てたものでもないと思わせられる、美しくいじらしい人の心を描いた作品も印象深い。→2014/09/27

ワッピー

35
「O・ヘンリー誕生日読書会’22】参加本。原文で一編読んだあとの答え合わせとして。2011年時点での初訳14編と新訳3編を収録。原文で読んだのは冒頭の「サン・ロザリオでの友情」で、ドライな東部と人情厚い西部の価値観が対置されている本書の白眉でした。他に都会もの、西部もの、価値観対立ものもあって、落語の雰囲気を感じました。キャラを強烈に立てて、あちこちに手がかりをばらまいてオチに持っていく手腕は西部よりは都会ものにマッチする気がします。とはいえ、どの作品にもオー・ヘンリーならではの香りを濃厚に感じました。2022/09/30

帽子を編みます

31
初訳14話、新訳3話、計17話がまとまっています。研究会、教授と門下生たちのものでしょうか、調べて、検討してという作業が背景に感じられる丁寧な訳です。オー・ヘンリーならではの、オチのある話。前半はテキサスなど自然豊かな土地中心、後半はニューヨークを舞台とした話です。「最後の吟遊詩人」ほろ苦い結末。吟遊詩人の誇り、老牧場主の誇りと矜持、落胆。「ミス・メリアムと癖」レジ係の描写の小気味いいこと、彼女は変身を遂げますが、ついうっかり出た癖。市井に暮らす名もなき人々の生活を切り取った短編、味わいながら読みました。2020/09/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/3199640
  • ご注意事項

最近チェックした商品