内容説明
正史『日本書紀』は、蘇我氏が物部氏を「だまし、滅ぼし、財を奪った」と語る。ならばなぜ、権力を掴んだ蘇我氏は、敗者である物部系の王を擁立したのか。来歴も作者も不明な、美貌の仏像「百済観音」に導かれるようにして辿り着いた、古代豪族の意外な真実とは―。古代ミステリーの雄が、複雑に絡み合う謎多く時代に迫る。
目次
第1章 なぜ百済観音と救世観音が造られたのか?(忘れられない百済観音との出会い;日本的な感性で造られた百済観音 ほか)
第2章 乙巳の変、壬申の乱、そして朝鮮半島(生きている救世観音と零落した百済観音;蘇我氏は百済出身なのか? ほか)
第3章 百済観音に隠された藤原氏との意外な関係とは?(百済と強く結ばれる藤原氏;なぜ中臣鎌足の父母の名が分からないのか ほか)
第4章 百済とつながっていた物部氏(物部氏はヤマト建国来の豪族;百済とつながっていた物部氏 ほか)
第5章 いま明かされる百済観音の正体(百済観音の正体を明かすヒント;小姉君と堅塩媛が生み出した皇族を二分する派閥 ほか)
著者等紹介
関裕二[セキユウジ]
歴史作家。1959年千葉県柏市生まれ。若い頃から奈良に通い詰め、独学で古代史を学ぶ。1991年に『聖徳太子は蘇我入鹿である』でデビュー。以来、古代をテーマに意欲的な執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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