江戸の天文学―渋川春海と江戸時代の科学者たち

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784046532657
  • NDC分類 440.21
  • Cコード C0095

出版社内容情報

江戸時代の優れた科学力に驚嘆!

日本初の暦を作った渋川春海、和算の大家・関孝和、天体観測が趣味の徳川吉宗……。天文と暦に生涯をかけた天才が続々登場! その偉業を知り、望遠鏡、精密時計など江戸の科学力・技術力に驚愕する科学読みもの。

内容説明

『天地明察』の主役・渋川春海(安井算哲)、ライバル・関孝和、天体観測が趣味の徳川吉宗…。日本の科学の底力がわかる!天文と暦に命を賭けた江戸の男たちの偉業。

目次

第1章 江戸天文ブームの先駆け、渋川春海(日本人初の実測による星図;日本の天文学事始め;天文暦学のパイオニアとなった渋川春海;授時暦に熱中した算聖・関孝和;なぜ春海は改暦に成功したのか?;貞享暦の側面)
第2章 江戸天文学のパトロン、天文将軍・徳川吉宗(実利的な学問を目指し、自ら天体観測;洋書の解禁を進言した二人の数学者;改暦をめぐる天文方と土御門家の対立;江戸時代の天文台の役割とは?;吉宗が愛用した天体観測機器;日本人の暦好きから発展した多彩な暦)
第3章 なにわの天文学者、麻田剛立とその弟子たち(近代的な天文学研究の父・麻田剛立;西洋天文学による最初の改暦;理論天文学に優れた下級武士・高橋至時;天体観測機器の開発に貢献―間重富;「地動説」を紹介した長崎通詞;天才技術者・国友藤兵衞の反射望遠鏡;天体観測を取り入れて測量した伊能忠敬)
第4章 地方で活躍した技術者・研究者(望遠鏡をビジネスに―岩橋善兵衛;日本初の「天体観望会」とは?;マルチな科学者、讃岐の久米通賢;加賀藩の天文学を牽引した西村太冲;加賀藩の優れた研究者たち;プラネタリウムをつくった田中久重)
第5章 幕末に活躍した天文学者たち(獄死した悲劇の天文方―高橋景保;日本初、星の等級を区別した星図;天保暦を完成させた渋川景佑;幕末天文方の日常と生活;明治改暦の舞台裏)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

獺祭魚の食客@鯨鯢

65
「天地明察」の主人公が太陰暦を改めたことから思うこと。旧暦と過去の遺物と考えるのは間違いであり、彼が六十で一周する干支を暦(こよみ)に当てはめたのは月の運行が人々の実生活に深くつながっていたからです。  潮の干満や女性の生理など、月の「引力」による影響が、大きな影響を与えていたことがわかります。また二十四節気なども農作業の指針になりました。安産のお参りは戌の日になどの云われも単なる迷信と片付けたラレません。  太陽暦は共通基準(グローバルスタンダード)として便利だったからこそ広まったとも考えられます。2020/04/30

マリリン

43
時々本書を読みたくなる。江戸時代の科学者たちの熱い想いは、浪漫に満ちた宇宙の謎解き。魅せられた多くの科学者が、魂を削るかのように情熱を傾けた先人の生きざまは、ひときわ輝く星のように心を惹きつけられる。暦の歴史は天文学の歴史。天文学のパトロン...よい言葉だ。推命学の本流である泰山流との関連は詳しく調べてみたい。侍医の地位から逃れるため脱藩・改名し、本業の収入を全て天文・暦学の研究につぎ込んだ森田剛立と弟子たちの情熱は半端ではない。国家機密漏洩罪を犯してまで樺太の形状に拘った高橋景保の破天荒ぶりも好き。2021/04/30

きみたけ

20
江戸の天文学といっても大したことないのかなと思って読み始めましたが、正直そのレベルの高さに驚きました。幕府の天文方よりも民間の天文学者による研究が優れていたようで、大坂や加賀を中心に西洋の科学技術に負けない研究熱心な人たちが大勢居たことに日本人の誇りを感じました。日本初の科学的な暦を作成した渋川春海、望遠鏡の照準を高めるためのファインダーの十字線を考案した徳川吉宗、日本初の反射望遠鏡を作った国友藤兵衛、四千万歩の一大測量を行い実測にて日本地図を作成した伊能忠敬(実は天文学にも精通)。昔の天文も興味深い😆2021/01/22

seraphim

15
興味深く読んだが、望遠鏡の仕組みなど、理系の苦手な私には難しいところもあった。昔の優れた人たちの努力で、現代の私たちが学校で当たり前のこととして習う事柄が発見されたのだと思うと、彼らに対して頭の下がる思いがする。天体観測を行い暦を作る。正確な観測を行うために望遠鏡などの機具が作られ、正確な暦を作るために測量方法があみだされ、そして測量は地図を作成することへもつながる。一つの探究心が様々な分野に影響を与え、広がって行くさまが面白かった。2014/04/25

おりがみ

9
暦、数学、測量、天体観測などが現在よりも近しい位置にあった時代に活躍した才人たちのエピソードがメインの一冊です。限られた測量道具しかない、政治的な思惑も色濃くある、従来の説が重んじられる逆境の中でも実績を残した志の高い人々がいたことに勇気づけられます。どのエピソードも自分で納得するまで妥協しないで自ら行動する姿勢が印象的でした。「天地明察」まだ本棚にあったと思うので読みなおしをしてみたいと思います。2020/03/31

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